卑怯なヤツめ ページ45
そして、まだ引いた目で見られていた。
必死の言い訳をする。
「ひ……1人芝居だよ、やだなぁ……」
「いや、完全に自然に笑ってたよね。」
そんなバカな。
うん。
つまり私の芝居が上手すぎたってことだな!
「芝居だったんだ〜!!!
びっくりしましたなぁ、一松兄さん!」
「いやいや芝居じゃ、あらへんやろ。」
おいそこ!純粋な子を
芝居だと思ってたら、芝居って事にしとけ!
フフっ、単純なヤツらは扱いやすい。
時間稼ぎは出来た。
計画通りだっ。
「あっ、Aがニヤついてるんだけど!」
トド松兄さん察し早すぎだよ、ボケ!
でも、ここは逃げるが勝ちっ!
秀明バックと、私のスマホをもって駆け出した。
兄さんは唖然としてたな。
全力ダッシュだぁっ!
「ぜぇはぁふぅ、うえっ…吐きそ…」
「げっ、なんか全力で走ってきた奴が居るっ。」
「“げっ”とは何だい?
若武くん。」
なぜ、“げっ”とか言うの。
女子に対して失礼だよ。
…あれ、何かおかしくないか。
何で……若武が居るのっ?!
「何で若武が居るのっ?!
テレパシーでも使ったのか!卑怯者め!」
「ちげーよ!小塚のミスだわ!」
「小塚先生ったら、若武んトコに
『若武には内緒で』
って、言ったらしいんだよ。本人にね。」
黒木が小塚の肩を抱きながら、揶揄いの意味を込めて言った。
小塚はその手を払い除け、少しむくれていた。
「しょうがないだろ。
僕が貰った情報は、全部若武に流すんだもの。」
あ、小塚って可愛い。
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作者名:イチゴミルクティ。 | 作成日時:2021年2月23日 1時