自身の才能 ページ43
私は電話越しにニヤリとした。
「えっと…どなたでしょうか……」
冷静に見えるけど、めっちゃ笑い堪えてるからね。
「待って!酷いよ!」
「ごめんごめん、からかいたくなってさっ。」
でも、素直な子はからかいがいがあって面白いんだもんっ。へへ。
「もうっ。
黒木が若武のマウンテンバイク見つけたから、秀明の前に皆で行こうって。
そうなってるんだけど大丈夫?
若武には内緒でって言われたよ。」
「えっ、行けるけど若武に内緒って何で?」
「…もう跡形もなくなってるって……」
「と、いう事は鉄クズになってるの!?」
「そうみたい……気の毒だよなぁ。」
だから黒木は若武抜きって言ったのか。
本当に災難だ。
買ってもらったばかりらしいのに。
「良く黒木は鉄クズを見つけられたよね。」
「僕も本当に凄いと思うよ。
黒木のコネクションは。」
「コネクション使ってんのかぁ。
私もコネ欲しい。」
「それは誰だって同じだよ。
でも、黒木は対人関係のエキスパートだもの。
僕達には真似出来ない、何かを持ってるんだ。」
そういう考え方が出来るのって、凄いな。
誰だって欲張るものなのに。
小塚のこの考え方は、自分の事をよく分かってる証拠だよね。
「小塚って、奥ゆかしくて自分の事を決して褒めたりしないよね。
もっと、自信もってもいいと思うよ?」
すると、照れたように笑っていた。
「ありがと。僕も少しは自信ついたよ。
4時に秀明前で待ち合わせで。じゃね。」
「うん、また後で!」
電話をきると、殺気立った人影が。
2人……4人…6人…居る…っ!!!
『小塚って誰ぇぇえ!』
あぁ、デジャブ…
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作者名:イチゴミルクティ。 | 作成日時:2021年2月23日 1時