彩の悩み ページ40
side彩
はわわぁ……
昨日、若武君から夜遅くに電話があった。
「秀明の近くに強盗が入ったの、知ってるか?!」
うちのママも随分心配していた。
それから、ノートに事件の出来事をまとめてたから、寝る時間がいつもより遅くなったんだ。
眠いなぁ。
でも、初めての体験でとても楽しかった。
憂鬱な学校。
友達つくりたいな……
なんて淡い期待は、もうしない。
昨日みたいな活動が出来れば、
私は幸せな事が分かったから。
とにかく、私立か国立の大学附属校に受かって平凡に卒業したい……
そう思っていた矢先に、登校中の私の願いは粉々に砕け散った。
あぁ、神様はいないのだろうか。
なんと、友達を連れた松野さんが
満面の笑みで私に声をかけてきたのだ。
「うわっ!
立花さんっ!おはよ!
一緒に学校行かない?」
声をかけてくれたのは嬉しいが、
連れている友達の顔が怖い。
「(Aちゃんと喋るなんてしないよね。)」
「(貴方は1人で居なさいよ。)」
そう私に訴えかけているようだ。
「あっ、ごめんね。先に行ってて……!」
松野さんは、綺麗なアーモンドの形をした目を悲しそうに歪めた。
でもすぐに、笑顔に戻って手を振ってくれた。
「そっか、じゃあまた教室でね!」
松野さんみたいに可愛い子が表情豊かだと、とても愛おしく感じる。
ずっと見ていられたけど、友達を連れて行ってしまった。
ずっと松野さんって呼んでるけど、
Aちゃんって呼んでみようかな。
でも、私も立花さんって呼ばれてるから
私だけ名前で呼んだら可笑しいかも。
悩んでる間に学校に着いてしまった。
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作者名:イチゴミルクティ。 | 作成日時:2021年2月23日 1時