43話 ページ45
返礼祭当日
千秋に招集をかけられ奏汰とともに学院前に来ていた。
あのいざこざがあってから私たちは傍観の立場でいたわけだけどやっぱり隊長の千秋は1年生が心配で仕方なかったようで...
翠が不在の時に、わざわざ翠のご両親に会いに行ってまで翠を返礼祭に出場させて下さいと頭を下げに行っていた。
お世話になった先輩にお礼と成長を見せる場である返礼祭。
私達が安心して卒業できるようにと鉄虎くんは言っていた。
だけど返礼祭に合わせてここの商店街はいろいろな催しをするから忙しくて人手が足りないというのが翠のご両親の立場。
「でしたら代わりに俺たちがお手伝いをします！」
千秋がそう言うと翠のご両親は了承してくださった。
______と今に至る。
『翠間に合ったかなぁ』
「グリーンなら大丈夫だ！それにブラックもイエローもみんな心優しいヒーローだ。誰一人見捨てたりはしない」
「ふふふ♪ちあきがそだてた『こ』たちですからね」
1年愛情たっぷり注いで育てた駆け出しヒーローたち
翠、ちゃんと衣装受け取ってくれるよね。
すると店の奥から翠のお母様が来た。
「客足が落ち着いてきたから学院にいってらっしゃい」
控えめにニコリと笑った顔が翠に似ている。
『本当によろしいのでしょうか...？』
「姫宮さんに贔屓してもらって売上も安定しているし、翠がこんなに何かに必死になっている姿って初めてなのよ。だから、翠の勇姿を見に行ってあげて」
翠のお母様に背中を押され、夢ノ咲学院に向かう。
その道中、Ra*bitsの1年生がボロボロに泣いているのを見かけた。
「に〜ちゃん！」とに〜ちゃんこと仁兎なずなに泣きつく1年生たち。
同じクラスの斎宮宗くん、2年生の影片みかくんとも和解できたようで...
驚くことに返礼祭で着用してるValkyrieの衣装はみかくんが丹精込めて作ったんだと言う。
なずなは国立大学に進学することを発表し、斎宮宗くんは海外で活動する。
それぞれ別の道を歩むことになるけど、夢ノ咲で過ごした3年間がこうして花咲いたように夢を叶えた。
寂しくなるけど、みんなそれぞれの道で頑張って欲しい。
「そろそろ向かうとしよう！我ら流星隊の勇姿を見届けるぞ！」
「おー！！」
と、その前に。
「ねぇみんな。話があるの」
そう言ってずっと隠し持っていた例のアレが入った紙袋を見せる。
「なんだコレは？」
「つべこべ言わず開けてみてよ！」
千秋と奏汰が紙袋から取り出したものは
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作者名：愛音 | 作成日時：2018年5月8日 0時
