誕生、流星ピーチ！【高峯翠】 (ページ31)

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29話　翠side ページ31

噴水前

南雲くんに誘われて早速今日からヒーローショウの練習

　

「深海先輩の許可取ったんで早速練習するっすよ～」

いや、噴水は学院の物じゃん…

「何で深海先輩の許可がいるの？」

「何となくっすよ、それより早速練習っす！姉御も呼んでるんで」

え、A先輩も…！？

まあ当然か、絡まれる役がいないとヒーローなんて登場しないもんね

　

『おまたせ～遅くなってごめんね、千秋がなかなか離れなくてさ』

　

また守沢先輩か…

この前だって

『千秋みたいにかっこよく助けてよね』ってさ…

俺はあの人みたいにはなれないよ

なりたくないし…

　

何でもかんでも守沢先輩守沢先輩って…

先輩はあの人のことが好きなの？

同じクラスだからって、

俺がもう少し早く生まれてたなら…

　

『翠？』

「はい！？」

『やっと戻ってきた、ぼーっとしてたけど大丈夫？』

「すみません、考え事してました…」

はあ、何で好きになっちゃったんだろう…

　

　

「おいおいそこのねーちゃん、ちょっとそこまで付き合ってくれよ」

『ちょっとそこまでってどこまでなの？』

「え、えっと…購買部とか？」

『購買部なら一緒に行ってもいいよ』

「じゃあ一緒に行くっす！」

　

「えーっと、ヒーローの出番がない…」

まあそれならそれでいっか

　
『めでたしめでたし♪』

「って違うッス！ヒーローの出番がないヒーローショウって何なんスか！っつか姉御も『やめて！』って手を振り払うシーンッスからね？」

『あはは～、ごめんごめん』

「南雲くんもA先輩についていってたじゃん」

　

それから何回も練習してみるも

なかなか納得いくヒーローショウができない…

　
そしてどういう訳か俺が一度不良役になることに

「でも翠くんすっご美形だし、むしろ女の人は喜んでついていっちゃいそうっすね…」

「俺、小心者だから不良には向いてないよ…」

『見てみたいな～翠の不良役』

　

そんな上目遣いでこっち見ないで…

「じゃあ、ちょっとだけ…ね、ねーちゃん、そこまで付き合ってくれよ……？」

南雲くん腹抱えて笑ってるし

A先輩はどういう意味でかわからないけど

顔を赤くしてるし…

　

「や、やっぱり駄目だ…A先輩、今の恥ずかしい演技は見なかったこと見してください…！」

すると校舎から怖そうな人が来る

「ごめんね南雲くん、先輩…俺ちょっと用事を思い出したから…じゃあね！」