紅い眼の陽炎

２４話 ページ26

Aside

時間が経っても経っても爆発はしない。

不思議に思ったのか中島さんは目を開けた。


その前には太宰さん、国木田さん、犯人だった人、
序(ついで)に僕。

威圧感満載。



国木田「やれやれ…莫迦とは思っていたがこれほどとは」

太宰「自 殺愛好家の才能があるね、彼は」

貴「莫迦云わないでくださいよ、太宰さん。
大丈夫でしたか、中島さん」



『へ？』と声を出して少し考えても
理解が追いつかないのか『え？』と声を出す中島さん。

まあそうだろうね。←



人質だった人「ああーん、兄様ぁ！
大丈夫でしたかぁぁ！？」



そんな中島さんの背後から人質だった人が
超高速度(スピード)で犯人だった人に抱きつく。


犯人だった人の頸からゴキとか聞こえた。

犯人だった人いろいろお疲れ様です。←
因みに折れたらしい。←


そんな光景を見て『へ？』とまたも声を出す中島さん。


正直あれにはついていけないから
考えなくていいと思う。←


そんな感じで呆然とした様子の中島さんに
国木田さんが声を掛ける。



国木田「恨むなら太宰を恨め。
若しくは仕事斡旋人の選定を間違えた己を恨め」

太宰「そう云うことだよ、敦君。
つまりこれは、一種の───

入社試験だね」

貴「全く。回りくどいことしますね、太宰さん。

私はこういうの嫌いでは無いですけど
中島さんにとっては心臓に悪いですよ」



そうかなぁ、なんて云う太宰さんに睨みを利かせてみる。

入社試験の言葉を復唱するも矢張りまだ解らないのか
呆然としている中島さん。


ああ、御免ね中島さん。
真実を聞かせてやらなくて。←


そんな処に『その通りだ』と低く凛々(りり)しい声が聞こえる。


武装探偵社社長、福澤諭吉
能力名は『人上人不造(ヒトノウエニヒトヲツクラズ)』。


ああ、中島さんが困惑している。
早く真実を聞かせてあげてください、可哀想です。



福澤「そこの太宰めが『有能な若者らが居る』と云うゆえ、
その魂の真贋(しんがん)、試させて貰った」

太宰「君たちを社員に推薦したのだけど、
如何(いかん)せん敦君は区の災害指定猛獣、
Aちゃんは戸籍無しの、何処の馬の骨かも
解らない少女だ。
保護するべきか社内で揉めてね」

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