コミュ力革命【衣更真緒】 (ページ43)

今日:8 hit、昨日:20 hit、合計:15,651 hit

42話ページ43

キッチンへ行き、真緒くんと下ごしらえをする

　

衣「俺玉ねぎ切るよ」

私の泣いているところを見たくないんだとか…

涙を溜めながら玉ねぎを切る真緒くんを見て

お父さんになったら子供の面倒をたくさん見るイクメンになるんだろうなと勝手に想像した

　

衣「みじん切りってこんな感じ？」

『うん、うまくできてるよ』

　

そんな私はお肉に下味をつける

真緒くんが切った玉ねぎをお肉に加えてしっかりこねる

衣「俺やるよ、Aは野菜切ってて」

力仕事は任せろとのこと

『ありがとう』

　

ハンバーグに添えるポテトサラダを作っていく

　

　

『真緒くんのハンバーグ私よりちょっと大きいね』

衣「そうか？」

　
火が通るまでじっくり時間をかけて焼くとおいしくなるみたい

ピー♪

衣「お、ごはんも炊けたみたいだな！」

　

『ハンバーグも焼けたよ！』

　

　

2人で作ったランチを一緒に食べる

衣「うめえな～！」

『真緒くんも作ったんだよ？』
　

衣「二人で作るとうまいし楽しかったな」

真緒くんにそう思えてもらえたなら本望だ

　

衣「また今度一緒に作ろうぜ！」

『うん！』

　

昼食を終えた後は、真緒くんは漫画の続きを読み

私は真緒くんのお家にある映画を見ていた

　
同じソファに腰掛け、隣にいる真緒くんを見てみると真剣に読んでいた

『それ、おもしろいの？』

衣「あぁ、うん」

　

何だか聞いているようで聞いていない相槌

　
真緒くんは漫画の世界に浸っているようで

ちょっと構ってほしかったりする

　

『映画終わっちゃった』

衣「他のやつ見ていいよ」

　
何だか私ほっとかれてない？

漫画好きなのわかるけどちょっと寂しいよ？

　

『真緒くんが読んでる漫画気になるんだけど』

衣「読み終わったら貸してやるよ」

　

うう…そうきますか

　

はあ、と大きくため息をつくと

衣「え？どうした？」

　

そういうところで敏感になるんだね

『真緒くんが漫画ばっかり読んでるから…』

衣「悪かったな…」

　

そう言って優しく頭を撫でてくれる

『子供じゃないんだけど…』

　

けれどすごく嬉しかった

　

それからは真緒くんと一緒に映画を見て

お昼寝したり英語を教えたりと

　

夏休みがあと少しで終わる

　

1泊2日とお世話になった衣更家を出る

真緒くんがお家まで送ってくれるとのことで今に至る

　

衣「もう夏休みも終わっちまうな」

『そうだね…』