コミュ力革命【衣更真緒】 (ページ19)

今日:12 hit、昨日:15 hit、合計:15,635 hit

17話ページ19

あ「涙出るくらい好きなんでしょ？」

『うん…』

　

あ「私も手伝えることは手伝うし、元気出して？」

『ありがと…』

あんずに慰めてもらいながら帰宅した

　
親友の言葉は強く心に響いた

　

　

Trickstarのライブ1週間前

仲直りしたいと思うものの真緒くん自身がドリフェス前で忙しく、顔を合わせることすらなかった

もちろんあんずと会うこともない

　

退屈だ…

　

瑠「昨日衣更先輩に会えたんです！」

私は会えてない…

『そっか、よかったね』

　

瑠「練習の疲れからかちょっと元気ないように見えて…ちょっと心配しました」

元気ないのか…

それは心配だね、私も

　
瑠「今日衣更先輩と練習終わり一緒に帰る約束もしてちょっと聞いてみますね！」

え、ちょっと待って！

真緒くん、瑠香ちゃんと帰るの？

　

『あぁ…そう、よかったね…』

うまく笑えてない絶対

　

真緒くんは瑠香ちゃんといるほうが気楽なのかな

私よりしっかりしてるし…年下だし可愛いし

　

瑠「では私、先輩待ってるんでまた明日！」

はあ、帰るか…

　

　

　

　

　

帰宅してベッドに倒れる

『はあ…』

　

真緒くんが来てくれた部屋

あの時は本当に楽しくて…ずっとこの時間が続けばいいって思ってた

　

真緒くんにドン引かれたこの部屋

真緒くんで溢れたこの部屋は今は虚しくなる

　

あの時の私たちは、嘘だったのかな…

不確かな何かを確かに見ていた

　

最後の恋だって深く信じてた

私の部屋の壁にも、窓にも…真緒くんの笑顔

腕にも、頭にも、心にも…

　

　

　

　

真緒くんの笑顔

　

すぐ近くにある真緒くんのブロマイド

『あれ？』

　

　

これ、複製のサインだけだったよね？

　

そこにはたぶん真緒くんの直筆で

「いつもありがとう」と私たちが遊んだ日付とともに書かれていた

　

真緒くんには見えない私の涙が頬を這う

「ありがとう」と言ってくれた人に

「距離を置こう」なんて言った私の言動の残酷さを痛感した

　

素直じゃないのは私だったのかもしれない

距離なんて置きたくなかった

ずっと側にいたいって思ってたのは私の方

　

『真緒くん…ごめんね』

　
明日、ちゃんと面と向かって謝ろう

　

緑のアプリを開いて「衣更真緒」を探す

　

"明日話があります。真緒くんがその気じゃなかったら無視してください"

とだけ送る