コミュ力革命【衣更真緒】 (ページ14)

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12話ページ14

お菓子を持って階段を上がるともうそこには真緒くんの姿はなかった

もう部屋の中か…

『おまたせ～』

　

部屋に入ると真緒くんは何かを見て立っていた

『真緒くん？』

視線を合わせる

彼が見ていたのはTrickstar結成時の写真

　

『懐かしいよね…』

この時は本当に辛かった時期だったと思う

生徒会とTrickstarに板挟みされていた真緒くんの立場は本当に大変だった

当時あんずから少し聞いた

Trickstar解散しちゃうかもって…

　

それだけは嫌だった

大好きな真緒くんに会えなくなるし

　

そんな真緒くんを見ると泣き出しそうな顔をしていた

　

衣「わりぃ…ちょっと思い出してた」

『私も』

　

だけど今があるのはその辛い時期を乗り越えたからこそ

そんなTrickstarをこれからも応援したい

　

『さ！今日のためにおやつ作ったの！食べて！』

衣「おう！ありがたくいただくぜ！」

　

それにしても私の部屋に真緒くんご本人様がいるなんて信じられないな

このコレクションを前にしてだし…

　

衣「にしても、すっげーコレクションだな」

『ありがとうございますぅ』

衣「別に褒めてねえよ」

ボケたつもりだったんだけどね

　

衣「ベッドにあるぬいぐるみって作ったのか？」

『うん』

なんか部屋をジロジロ見られると恥ずかしいな

　

衣「思ってた以上にやばかった」

『それって褒めてる？』

衣「いや、何かこんなに想ってくれる人がいるんだなってびっくりして」

『私の真緒くん愛は世界一だよ！』

瑠香ちゃんには負けない、と勝手に思っている

　

衣「ははっサンキューな」

そう言って私の頭を優しく撫でる

　

はわわわわわ…

衣「Aってホント俺のこと好きだよなあ。そうやってすぐ赤くなる」

『か、からかってるつもり！？』

衣「ちょっとだけな」

　

意地悪に笑う真緒くんにちょっと怒りを覚えた

これも愛ゆえだ！

『ふん、真緒くんなんか知ーらないっ』

衣「ああ悪かったって～」

　

何だかこうして過ごす今が本当に楽しい

大好きな真緒くんが目の前にいて…

　

『真緒くん好きだよ』

衣「っ！？お前なあ…」

また髪をかきあげる、照れてる証拠

　

『だって好きなんだから仕方ないじゃーん』

衣「やっぱお前といると調子狂う…」

　