脱蛙化現象契約【岩田剛典】

17 椎名sideー再会編ー ページ19

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『夕方･･･』


















本日二度目の起床は

オレンジ色の夕焼けが部屋を染めた頃



ベットの中で丸めた身体は

見慣れた景色でやっと現実を帯びた気がする
















(全て夢であったなら･･･。)


















そう思うのも無理はない


先程颯爽と消えた後ろ姿を眺めたあと


洗面台で見た自分は実に酷いものだった






はだけてヨレヨレの服

ボッサボサの髪

無よりも酷い崩れた化粧

寝起きの締りのない顔



極めつけはえぐいほどの酒の匂い








生憎二日酔いはあまりない方だ

お風呂に入って寝た今はピンピンしてる



だからと言って帳消しになるわけじゃないけどね！

















『あーーー、あんな姿を晒すなんて･･･！』

















20歳の年頃の女の子としては

だいぶずっしりと心にくるものがある





向こうが覚えてるかはさておき

次三代目のライブに行く時は不審者ばりの格好をしなくては




普通に恥ずかしくて居た堪れなくなる









そんなことを考えていたら

ぐーーっとお腹から鳴った生理現象

















『なんか頼も･･･』


















自分の色気のなさに呆れながら


枕元からスマホをとれば

届いていた未読のメッセージ









桜無事帰れた?
桜岩ちゃんにご馳走様です、タクシー代もありがとうございます。って伝えといて!



















『ははっ･･･、笑えない』
















これ私の分も払って貰った感じ？

てか何ちゃっかりタクシー代貰ってんのさ




十数年心友続けてきたけど

びっくり行動すぎるわ






でもまぁ

何より今しなきゃいけないことは


















『ハツにズリにささみ、あとはレバーかな』


















焼き鳥を頼むという現実逃避だと思う。

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