裏路地のバー。nove ページ10
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_____みんなが戻るまで、ここで待ってて。
そう一松様に言われ、通された部屋は、私の部屋の何倍も広く、何倍も豪華だった。
ベッドに腰掛け、胸元に入れていた写真を取り出す。
この部屋に似合うような淡い水色のドレスを着た幼い私が、そこには写っている。
『…Lascia ch'io pianga mia cruda sorte,(私を泣かせてください。残酷な運命に。)
e che sospiri la liberta.(ため息をつかせてください。失われた自由に)』
か細い声でそう歌えば、幼い頃の思い出が蘇る。
嫌な思い出を思い出そうとする思考を拒み、ゆるく頭をふる。
コンコン、と軽い木の音がなる。
「Aちゃん!失礼します!」
『はい。どうぞ。』
中に入って来たのは黄色いシャツを着た十四松様。
「にーさんたちが戻って来たから、Aちゃん呼んできてって!…話せる?」
『皆さま、大体のことは知ってらっしゃるんでしょう?大丈夫です。…きっと。』
曖昧な笑みを見せ、部屋から出る。
長い廊下、廊下に飾られる豪華な調度品。
その全てが、嫌な記憶を頭の奥深くから呼び起こす。
「みんなここにいるよ!」
私に笑顔でそういうと、十四松様はドアをバーンと開けて、入ってしまわれた。
『あ…失礼します…』
十四松様の後ろを追うように部屋に入れば、私に向けられる視線。
「お、来てくれてありがと〜。とりあえず、俺たちの自己紹介から、しよっかな。
名前くらいしか知らないっしょ?」
そういうと、カラ松様が立ち上がり、喋り始める。
「松野ファミリー、青の幹部。松野カラ松。肉弾戦が得意だ。」
兄弟の順だろうか、次はチョロ松様が立ち上がる。
「松野ファミリー、緑の幹部。松野チョロ松。銃撃戦が得意だよ。」
「…松野ファミリー、紫の幹部。松野一松。拷問とか…遠距離射撃とか…得意…ヒヒッ。」
「次オレー!松野ファミリー黄の幹部!松野十四松でっす!俺も肉弾戦得意!」
「次は僕だね!松野ファミリー桃の幹部。松野トド松だよ♪情報戦が得意なんだ!」
「そんで、最後は俺。松野ファミリー、赤の
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六人の自己紹介が終わり、次は私なのだと感じ、立ち上がる。
「…バーテンダーとしての君じゃなく、本当の君で教えて?」
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『……
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マレイド(プロフ) - サクラさん» ありがとうございます!完結できるよう頑張ります! (2018年3月1日 18時) (レス) id: cc8dab3ec0 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 更新楽しみに待ってます! (2018年3月1日 13時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
マレイド(プロフ) - 千代松さん» ありがとうございます!これからも頑張ります! (2018年2月21日 19時) (レス) id: a2b6ddf51f (このIDを非表示/違反報告)
千代松 - 面白いです!更新頑張ってください!続きを楽しみにしています! (2018年2月21日 17時) (レス) id: 4b0b8ba6fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マレイド | 作成日時:2018年2月19日 10時