裏路地のバー。ventiquattro ページ30
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『ミスターフラッグ!ようこそいらっしゃいました。』
カウンターから出て頭を深く下げる。
「久しぶりだジョー。今日は目一杯飲むジョー。」
最後にいらした時とは違い、二人のSPを連れたミスターフラッグは、チョロ松様の隣に座る。
「うわっ、ハタ坊!なんで俺の隣なんだよ!」
「チョロ松くんがいてよかったジョー。いい話持ってきたから聞いてほしいジョー。」
全てが意図なんだろう。六つ子の誰かがいる可能性はあるが、
目的であるチョロ松様がいるのに対して驚かなかった。
……この店、誰かに見られている?
そんな考えを振り払い。SPからミスターフラッグのオーダーを書いた紙を受け取る。
「……シンガポール・スリング?」
急いで作り、二人に出せば、すごく真剣そうな話をしているのが聞こえる。
シンガポール・スリングは、《秘密》の意を持つカクテル。
ミスターフラッグは私に作らせ、そしてそれをチョロ松様に出させることで、この話は内密だ、と
強く印象付けたようだ。
私にも聞こえぬほど小声で話す二人。
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しばらくすれば、ミスターフラッグは満足そうに店を出て行った。
代金は後で振り込まれるだろう。
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『シンガポール・スリングのカクテル言葉は" 秘密 "……。』
そう呟き、閉店の支度をする。
「ふーん……あれ、今日はもう終わり?」
『はい。今日、予約のお客様はいませんし、チョロ松様がお待ちですので、帰りましょうか。』
「わかった。店の裏に車を停めてある。それで帰ろう。」
チョロ松様のエスコートで店の裏に行けば黒い車。
それに乗ればすごいスピードで走り出す。
「おそ松兄さんがうるさくてね。
今カラ松と十四松が宥めてるんだけど、多分そろそろ限界だから、急いで帰ろう。」
『かしこまりました。』
「帰ったらおそ松兄さんにカクテルを作ってくれる?」
『かしこまりました。』
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しばらくすれば、アジトの中に着く。
中に入れば飛んでくるおそ松様。
「Aちゃ〜ん!!!遅いよー!」
『申し訳ありません。おそ松様のお好きなカクテルをお作りいたしますので、お許しください。』
「マジ!?んじゃ行こ行こ!」
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「チッ……」
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マレイド(プロフ) - サクラさん» ありがとうございます!完結できるよう頑張ります! (2018年3月1日 18時) (レス) id: cc8dab3ec0 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 更新楽しみに待ってます! (2018年3月1日 13時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
マレイド(プロフ) - 千代松さん» ありがとうございます!これからも頑張ります! (2018年2月21日 19時) (レス) id: a2b6ddf51f (このIDを非表示/違反報告)
千代松 - 面白いです!更新頑張ってください!続きを楽しみにしています! (2018年2月21日 17時) (レス) id: 4b0b8ba6fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マレイド | 作成日時:2018年2月19日 10時