裏路地のバー。venti ページ25
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廊下を走る私。向かうはアンソニー・ピーノの元。
前方に見覚えのある懐かしい三人組が見える。
彼らから少し離れたところで止まると、三人の真ん中にいる男が話しかけて来る。
「A。久しぶりだね。」
『……アント兄様。ソニア兄様。イザト兄様。お久しぶりでございます。』
「あれ、昔みたいに、アン兄、ソー兄、イザ兄って呼んでくれないんだ。寂しいなぁ…」
『…アンソニー・ピーノの命令でここにいるのですか。』
ボスの名前を出すとアント兄様の眉がピクリと動く。
「違う。僕らはあんな奴らの命令で動いたりしない。」
ソニア兄様、イザト兄様が続けて口を開く。
「僕らがここにいるのはババ様の助言のおかげだ。」
「イタリア男は女の笑顔のためだけに動けばいいって、ね。」
そこで私は気づく。
この三人の兄様は私を守ってくれようとしているのだと。
『兄様。私は…』
私はイザト兄様にひょい、と持ち上げられる。
「うわ軽!ちゃんと食べてる?あ、でも何個か武器仕込んであんね、父さんも腕落ちたなぁ。」
三人の兄曰く、私を捕まえたのはアンソニーの息のかかった奴。
私の身体検査をしたり、あの部屋に閉じ込めたりしたのはアンソニーだという。
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イザト兄様に抱えられながら私は兄の話を聞く。
ジタバタと暴れてみたが無駄なようだ。
『…兄様、アンソニーのところまで連れて行ってください。』
「んー、でも今お客さん来てるみたいだしー…なんだっけ?竹?梅?」
「松ね、松…なんだっけ?」
「松野!兄さんたちもうボケちゃったの?」
まるでコントのようなやり取りをする彼らを見て、おもわず笑ってしまう。
『ふは、あははは…兄様ったら…』
兄様たちは顔を見合わせる。
「「「やっと笑った!」」」
四人で笑い続けていると、屋敷内に響く銃声。
「……銃声だよね?」
「うん、銃声。」
「P9?」
「P9だね、雑魚銃。」
『あの銃の打ち方はアンソニーのものでしょうね。
チョロ松様も一松様もボスも、あんなに雑な打ち方はいたしません。』
「んま、アンソニー殺されちゃう前に行くかー…あー…めんどくせぇ…」
「同意、寧ろ松野さんに殺してもらっちゃった方がいいんじゃない?」
「にーちゃん達に同意!俺はなんでもいい!」
「まー行くか。」
「おっけー!」
私は抱えられたまま、銃声がなった方へ向かった。
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Impostazione del personaggio originale.→←裏路地のバー。diciannove
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マレイド(プロフ) - サクラさん» ありがとうございます!完結できるよう頑張ります! (2018年3月1日 18時) (レス) id: cc8dab3ec0 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 更新楽しみに待ってます! (2018年3月1日 13時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
マレイド(プロフ) - 千代松さん» ありがとうございます!これからも頑張ります! (2018年2月21日 19時) (レス) id: a2b6ddf51f (このIDを非表示/違反報告)
千代松 - 面白いです!更新頑張ってください!続きを楽しみにしています! (2018年2月21日 17時) (レス) id: 4b0b8ba6fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マレイド | 作成日時:2018年2月19日 10時