路地裏のバー。uno ページ2
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「Aちゃーん！久しぶりー♡」
『いらっしゃいませ、松野様。お久しぶりですね。』
カラカラ、となるベルの音でドアに目を向ける。
赤いスーツの彼はおちゃらけて見えるがマフィアのドン。
「会いたかったんだよね〜。なかなか来れなくてごめんね〜？」
『あなたのご兄弟はよくいらしてますから、久しぶりな気がしません。』
「つっめたいね〜！」
カウンターに座り、いつものちょーだい！と言う彼は普通の一般人にしか見えない。
でも、彼が恐ろしい人間だと言うのを私は知ってる。
『かしこまりました。』
彼のお気に入りのカクテルを作り、出す。
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私知ってますよ？あなたが本当はビールが大好きなの。
日本人だから、日本酒も大好きなの。
騒ぐのが大好きなの。
でも、ここが気に入ってくれていること。
全部全部知ってますよ。
「今日も美味しいねぇ、Aちゃ〜ん。そろそろ俺専属のバーテンダーになってよ〜。」
『謹んでお断りさせていただきます。』
「ちぇ、日本語上手くなったねぇ。カタコトの頃は可愛かったのに。」
『……Sei bravo anche in italiano?(あなただってイタリア語がお上手でしょう？)』
「…Certo.(もちろん)」
「たくさん勉強したからねぇ。」
煙草に火をつけながらそう笑う赤い彼。
『お仕事は？ここに来て緑の彼に怒られたりしないですか？』
「Aちゃんまだ俺たちの名前覚えてないの〜？」
『見分けはつくんですけどね。名前がどうにも…』
苦笑いをしながらそう返せば、赤い彼はショックを受けたように頭を抱える。
「…俺の名前わかる？」
『……松野、トド松、様？』
「ちがぁーう！」
足をバタバタさせて怒る彼。拗ねているようだ。
『すみません。トド松様とおそ松様、すごく似てらっしゃいますから。』
「六人みんな同じ顔だよぉ〜？」
『だから間違えないように松野様と呼ばせていただいているんです。』
ぶすっ、とした顔でカクテルを飲み干すおそ松様。
「ご馳走さま、次はちゃんと俺の名前呼んでよ。
会計はツケといて、チョロ松あたりが次来たとき払うから。」
カウンターの席から立ち上がり出て行こうとする彼を見送る。
『かしこまりました。お気をつけて。』
カラカラ、と音を上げて出て言った彼の背を見送り、笑う。
『…また今度、がない世界で、また今度の言葉を口に出すなんて、図太い人。』
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マレイド(プロフ) - サクラさん» ありがとうございます！完結できるよう頑張ります！ (2018年3月1日 18時) (
レス) id: cc8dab3ec0 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 更新楽しみに待ってます！ (2018年3月1日 13時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
マレイド(プロフ) - 千代松さん» ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2018年2月21日 19時) (レス) id: a2b6ddf51f (このIDを非表示/違反報告)
千代松 - 面白いです！更新頑張ってください！続きを楽しみにしています！ (2018年2月21日 17時) (レス) id: 4b0b8ba6fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マレイド | 作成日時：2018年2月19日 10時
