帝王の天使3 (ページ20)

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118話ページ20

久しぶりにあんなに踊れたのは久しぶりで、しかも人前で踊ったものだからすごく楽しくて、今だけは怖いことも忘れてらしくもなく鼻歌なんて歌いながら校舎を出て噴水辺りをぶらぶらしているとポケットが振動した

「ん？仕事入ってないと思うんだけど……？」
もしかしてまた母からなのか、と少し怖く思いながらもスマホを取り出すと、そこには意外な名前が写されていてすぐさまボタンをタップする

A「もしもし？兄さんですかっ？」

？？「おお、元気そうだなラr「ラル～！！久しぶり～！！」あ、ちょっと！！」
嬉しくて声を上擦らせてしまいながらも声をかければ、聞こえてきたのは俺を見つけ出してくれた人と、俺をたくさん可愛がってくれる人の声

A「ウイ兄さん！アウラ兄さんも！お元気でしたか？」

アウラ「うわあ久しぶりのラルだ！！うん、俺たち元気だよー！！俺元気有り余りすぎてバク転30回出来るくらい元気！」

ウイ「流石にやめてくれよ？笑
でもアウラが言った通り、俺たちは健康だよ……あああ…わかった…わかったから…ラル、今時間ある？」
どこか騒がしい騒音にしかこちらには聞こえない何かとそう何言か話した後、ウイ兄さんは俺にそう話しかけてきた

A「はい、今なら空いてますよ？どうしました？兄さん」

アウラ「今俺たちが電話してるのに気づいてお兄ちゃん達全員来てるからスピーカーにしたいんだって～」

A「え、したい！お話したいです！是非お願いします！」
願ってもないお誘いにお腹の方が一気にぶわりと熱くなって、いつもなら出さない大きな声をあげてそう返事をするとあちらから何やら呻き声が聞こえた

A「？何か言いましたか？」

ウイ「ううん何でもないよ何でもないからね安心してラル。
じゃあスピーカーにするからね」
何だか最初はまるで早口言葉の様な速さでそう話されて少し疑問に思いつつも、まあうちの兄さん達ならそういうことも多いし仕方ないよね、なんて気にも留めずそのまま頷くと一気に聞こえる声が多くなった

？？「ラル～～！！元気？ちゃんとご飯食べてる？無理してないよね～？？」

？？「おおラル、久しぶり」

？？「可愛いラル～♡お兄ちゃん会えなくて寂しい～早く会いたーい！」

？？「クラ～！今背何センチ？！お兄ちゃんもう伸びないんだけど！！」
口々に聞こえる個性的な話口調とその安心する声音が懐かしくって、思わず飛び跳ねたくなる気持ちを抑えながらまた俺は口を開いた。