帝王の天使3 (ページ2)

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100話ページ2

そんな話を少ししてまた仕事をこなしていると、みかにちょいちょいと手を引かれた。
なんだ？と思ってみかの方を向くと、ちょうど通りかかった廊下にある行列を指さしていた

みか「なあなあA兄ぃ、あれどんな出し物なんやろ？」

そう聞かれるものの、恥ずかしながら俺は今回の学院祭での出し物がどこで何をやっているのかをあまり把握していなかったし、そもそも建物の中のためここがどこかもわかっていない。いつもなら居ない客がいるから尚更だ。

A「ん～…なんやろねえ…まあ、そろそろチラシもなくなりそうだし、近く寄って見てこうか」
と、提案すると嬉しそうに首を縦に振って俺と繋いでいる手を引いた

そうしてなんとか目的地までつくと、みかはさっと俺の背後に回って隠れるように身を縮こませた
一体何があったというのかと思い、みかが見ていた方へと目を向けるとそこには同じクラスの零くんがじいっとこちらを見つめていた

A「お、零くんだ」

零「おぉ、A！ここで会うとは思わなかったぞい。何しろお主は方向音痴じゃからのう」

A「…みかがいなければここには来れなかったよ」
そう話しながらみかの手を引いて「大丈夫だよ」と声をかけて横に出した

A「うちの弟分、可愛いでしょ」
ふふ、と笑いながら引き寄せて言ってみればみかは少し恥ずかしそうに顔を赤くしながら俺を小突いた

零「うむ。流石は斎宮くんとAが見込んだだけあるのう。時々斎宮くんが話題にも出すし知っておるよ」

みか「えっ、お師さんが？えへへ、どんなふうに俺のこと話してるんやろ～♪」
そう話した零くんの言葉にみかは顔をぱっとあげて興味津々に質問した

零「う～む。喜びに水を差すようで悪いんじゃけど、本人を前にして言えないようなことをたくさん聞かされておるぞい」

みか「あ！俺、お師さんにいつも『歪な人形』や『出来損ない』って言われてるから大丈夫です！」
そのみかと零くんの衝撃発言を聞いて俺はちょっと怒った
聞いてねえんだけど？それ？
うちの可愛い弟に何言ってんだ

A「ねえ何も大丈夫じゃないよね？後であの野郎はっ倒してやる」

零「A落ち着くのじゃ！！斎宮くんがその言葉遣いを聞いてしまったら卒倒するぞい！」

A「は？いくらでも卒倒しやがれってんだクソ。うちの子になんてこと言ってくれたんだ。容赦しねえからな」

みか「んああ！お兄やん落ち着いて！！」

ちなみにこのAの怒りが収まったのは10分後だったそうだ。