異能者×異能者【文スト×カゲプロ】

擦れ違う能力者 ページ8

「誰か、私と心中して呉れる女性は居ないかな〜」周りをキョロキョロと見渡し、ふと、在る女性に目線が行く。キョロキョロと落ち着きが無い。迷子かな？と相手を見つめ、よく見たら隈が出来てるな、
「…んもぅ！！此処、何処！？亦迷ったの！？」
ぶつぶつと苛立ち気味に独り言を吐きつつもきょろきょろと周りを見渡す。術がないと知れば盛大な溜め息を着き、
「御嬢さん、お困り事ですか？」
迷ったと聞けば話掛け、ニコニコと笑い近付いて。
「見たところ迷子の様に見えますが、合ってます？」
念の為に聞いてみて。迷子なら案内しようかな、と思い
「まっ、迷子って……まぁ、そうですけど…。」
ニコニコと寄ってきた彼に同様しつつも答える。なんか美形だけどナルシっぽい奴来たんだけど。結構毒舌なんだな…なんて思いつつも再び溜め息を吐いた。もうどうしようもない。
「うふふ、矢張りそうでしたか」
苛々している彼女。見た目的に高校は卒業していそうだけれど、その歳で迷子に為ったのか。
「案内しますよ？最も、貴方が宜しければ…ですけど」
断って貰っても構わないがまぁ、断れば永遠に迷子だろうな、
「ぇ、うーん…じゃ、御願いしようかな…。」
躊躇い気味になるも云えた。事実、途方にくれてたしこんな状況で案内して暮れるなんて非常にありがたい。
「此処の地形を余り御存知無い様だ。何処に向かう予定で？」
案内するのは善い、仕事がサボれるから。だが、何処に行きたいのか判らないと案内の仕様が無い。何処に行きたいのか頸を傾げ尋ねて、
「あ、敬語を抜いて話しても宜しいですか？」
案内術く一緒に居なければ為らないのだ。ずっと敬語なのも堅苦しい、そう思えば尋ねてみて
「否、用とかじゃなくて…ただ単に迷っただけって云うか…。」
なんて説明すれば良いのだろう。正直、早く自宅へ戻りたい。
「あー、うん。抜いても善いですよ…」
適当に返事をする。そんなのどうでも善いんだけど。
「迷った？用も無く此処に来て迷ったと…ふぅん」
抜いても善いと聞けばニコリと笑い。用が無いと云う相手を目を細め見て、怪しいと云えば怪しいけれど、嘘を吐いている様には見えない。
「ふむ、早く家に帰りたい様だね。」
怠そうな相手の声色からそう感じ取ってみて、抑、彼女の家は何処の辺りなのだろうか。

太宰治 榎本貴音

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