異能者×異能者【文スト×カゲプロ】

遭遇　弐 ページ6

「もう嫌だ、帰りたい」
掃除の邪魔だと追い出された。何でだよ、何時も普通に掃除出来てるだろ。俺が外に出ないからか？否、其れしか無いだろう。自販機を前に項垂れ大きな溜息を吐く。端から見れば怪しい奴だろう、
「……これは、どう使うのかの………」
自販機の使い方が分からない。どうしよう………と思っていたところに少年が来た。
「そこの童、此れはどう使うのじゃ？？ 」
「え、俺…？」
真逆な、俺な訳が無い。確認すべく周りを見渡す。俺しか居なかった、何という事だ。
「うぁあ、えっと…此の穴に値段分の小銭を入れて、其れから欲しい飲み物のボタンを押せば善い、です…よ」
死ぬ！誰か助けてくれ！冷や汗をダラダラとかき、徐々に声が小さくなっていって仕舞い、
「そう、お主じゃ。………なるほど、有難うのぉ………お礼にお主の物を代わりに買おう、何が良いかえ？」
「 あ、有難う御座います…？」
買ってくれると云うのなら御言葉に甘えよう。ふと、前を見れば着物を身にまとった美しい人が居た。今迄、俯いていたから気付かなかったがこんな人だったのか。尚の事緊張するぞ。
「じゃあ…炭酸飲料で」
そうして自販機に有る炭酸飲料を指差して
「礼をキチンと言える童は好きじゃぞ。」
そう言いニコッと笑う。指さされた先を見てこれか？分かった。と言い財布を出せば小銭が無いの………千円札でいいか。と言いながら押して自分の分も押して
「ほれ、どうぞ。」
と言いながら渡してベンチに座り買ったものを飲む。
「す、好き…!?」
違う違う、そう云う意味で目の前の相手は云った訳では無いぞ？如月シンタロー、落ち着け、だから何時まで経っても童貞なんだぞ。息を整えれば相手がもう炭酸飲料買い終わって居た。
「あ、どうも」
と、受け取り、己も炭酸飲料の蓋を取り飲もうとする。蓋を開ければプシュ、と音がし嬉しそうに顔を緩ませる。
「お主はよっぽどその炭酸飲料？とやらが好きなのじゃな、顔が綻んでいるぞ。」
クスクスと笑えば自分の分の紅茶を開けて飲み
「ふむ、美味しいのぉ……………そうじゃ、お主名は何と言う？？ 」
「まあ、好きっすね。俺は此れを神の飲み物と思ってるんで…」
相変わらずの事だが敬語が苦手だ。顔が綻んで居ると聞けばマジかよ!?と己の頬を触り、無意識に綻んでいたのか、
「……そう云うものは自分から名乗るものだと思うっすよ」
怪しい、急に名告れだ何て。先程とはうって違い落ち着いたのか冷静になって。ジトリと相手を見て

尾崎紅葉 如月伸太郎

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