憂慮する兎*１ ページ38
講堂のステージへ繋がる舞台袖の通路からひょっこりと顔を出す。どうしよう、冷や汗が止まらない。
「あのあとに余興するのかぁ……。本格的に無投票かもしれない」
現在。
ステージ上では準決勝の結果発表が終わり、舞台装置の撤収や再配置がなされている最中だ。
先程までfineとUNDEADの圧巻のパフォーマンスを見ていたぶん、つい気後れしてしまう。
だって俺ペーペーだし。ファン数ゼロの無名だし。
不安だから誰かとお喋りしてたいけど、ここまで連れてきてくれた蓮巳先輩は「アナウンスで合図があるまでここで待機だ」みたいなこと言ったきりどっか行っちゃうし。
あー不安だ。う〜あ〜もーーー！！
「Aちん？」
「うぉっ！？ に、に〜ちゃん！？」
不意に肩を掴まれて振り返れば。そこにいたのは、仁兎先輩。俺が過剰に反応してしまったからか、元から丸い目をもっと丸くしていた。すんません。
「さっきまでライブしてたんですよね？ お疲れ様です！」
聞いたところによると、fineとUNDEADの前にTricksterとRa*bitsの戦いがあったらしい。
「ありがと。まあ僅差で負けちゃったけどな。全力でやれたし、後悔はしてないよ」
そうやって満足そうに微笑むに〜ちゃんの後ろには、これまた見慣れた姿が。
「お久しぶりです、Aくん」
「オレはAちゃんとは教室で会ってたから久しぶりじゃないけど、久しぶりなんだぜ！」
「おっすー。2人ともお疲れ様」
安定の可愛さをもつ創と、いつ見ても元気な光。
そして。
「初めまして、だよな？ 俺は城崎A、気軽にAって呼んでくれ」
創の隣に立っていた、Ra*bitsの衣装を着た男の子。
優しそうな顔で、おおー夢ノ咲では珍しい雰囲気だな、と思った。なんというか良い意味で普通って感じ。
「よろしく。俺は真白友也。Aのことは一度創から聞いてたけど……本当に『女の子』みた、」
と言いかけたところで、友也はハッとして口を塞ぐ。きっと俺にはその話題はタブーって聞いたんだろうけど……塞ぐの遅いから。
同学年の皆と話していると、ふと今まで黙って傍観していたに〜ちゃんが口を開いた。
「……ところでAちん。その衣装はどうしたんだ？」
「んー、なんか急なことで俺もよくわかってないんですけど、決勝の前に俺が余興としてパフォーマンスをすることになって。で、そのための衣装みたいな感じです」
答えると、に〜ちゃんは一瞬だけ不審そうに眉をひそめたように見えたが、すぐに「そっか、よく似合ってるぞ！」と頭を撫でてくれた。
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サラ(プロフ) - 楽しく読ませていただいてます！！ 後編まで書いてくださりありがとうございます。宜しければパスワードの方教えていただけると幸いです。 (5月8日 15時) (
レス) id: 57059d652a (このIDを非表示/違反報告)
koeno(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！素敵なお話をありがとうございました！もし続編を書かれるのであればぜひパスワードを教えていただきたいですー！！ (4月7日 0時) (レス) @page49 id: 3ec6efc790 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 続編みたいです！ (4月2日 17時) (レス) @page49 id: 54e2cad7a6 (このIDを非表示/違反報告)
0nm3264922j626v(プロフ) - 続編めっちゃ読みたいです！是非！お願いします！ (4月1日 20時) (レス) id: 203b2c7fc8 (このIDを非表示/違反報告)
ただのヲタク(プロフ) - 続編読みたいです！すごく楽しく読ませてもらいました！ (3月30日 9時) (レス) @page49 id: 9a68619e2b (このIDを非表示/違反報告)
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