Open-ended*6 ページ10
さすがに怒るかな、と冷や汗をかいていると。
「あっはっは！」
「うぇっ？！」
先輩が急に腹を抱えて笑いだした。
もしかして怒りを通り越しておかしくなっちゃったのかな。元から変ではあったけどこれ以上はマズいと思うんだ！
「何を今更……！偽名だなんて初めから気づいてましたよ。フフ、それをそんな、悲壮な顔で言い出すなんて。本当に愛らしい子ですねぇ」
「は、はぁあああ？！」
どういうこと？！知ってたの？！しかも初めから？！
「わかってたならなんで言ってくれなかったんですか！ しかも『にゅう五郎』って呼んでくるし！」
「本名を隠すタイプのアイドルなのかな、と思いまして。詮索するのも野暮ですし、何より面白そうだったもので」
「面白そうって……」
「まあ私を騙そうとするなんて100年早いってことですよ。ねぇ、Aくん？」
言ってから、パチこん、と軽めのウィンク。したり顔がとても気に食わないです。
「ムカつく。変態のくせに」
「そう仰らず。私、なぜか後輩たちから白い目で避けられがちなので、あなたのような子は嬉しいんですよ。冷えきった目も正直ゾクゾクするので好きですけど、Aくんの『日々樹先輩だぁい好き♡』もなかなか」
「捏造すな」
声が似てて更にイラ。
あと俺だって白い目で見てますからね。隠してるだけで。
「ツンデレなんですから。あんなにも私の胸の中でわんわん泣いていたのに……。終わったら用済みなんて、私はAくんにとって都合のいい道化なんですね、ぐすん」
「人聞きの悪いこと言わないでくれます？……ちょ、それやめて。演技だってわかっててもちょっと心配になる」
先輩が顔を覆ってぐすぐすと泣くもんだから、ほんの少しだけ心が痛い。
演技がうまいなちくしょう。引き込まれる。なんていうか、こう、ハートが針でチクチク刺されてく感じ。……うう。ああもう！
「都合のいい人だなんて思ってませんよ。慰めてくれたのは素直に嬉しかったし……。だから、その、ありがとうございます」
くそ照れるな。改めて伝えるってなるとどうして何倍も恥ずかしく思えちゃうんだろう。
俺から突然のお気持ち表明を受けた先輩は泣きの演技をころっと捨てて、にやにや愉快そうに笑う。へぇ、ほぉ、なんて嬉しそうに呟くから、ああやっぱり言うんじゃなかった、と後悔。
「そうでしょうそうでしょう！また何かあったら遠慮なく呼んでくださいね！」
言ってから、薔薇を取り出した先輩が不敵な笑みを浮かべ、俺の前に膝まずいた。
「たまには私だって先輩ぶりたいので」
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yukki(プロフ) - 続けてくださって嬉しい限りです！これからも応援しながら作者様の作品を読ませていただきます！！ (2020年1月11日 23時) (
レス) id: c7ca82405e (このIDを非表示/違反報告)
すみぃ(プロフ) - 続けて下さってほんとに嬉しいです！！pixivあんまり詳しくなくて作者様の作品見れるか不安なんですけど勉強します！！これからも影ながら応援しております！頑張ってください！ (2020年1月11日 19時) (レス) id: f77c46eafb (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - 作者様の書き方がとても好きですし、凄く読みやすいと感じています。なので、占いツクールでの活動を続けるという決断をなされた事が、凄く嬉しいです。最後になりましたが、更新、楽しみにしながら気長に待ってます。 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - こんにちは。突然ですが、コメント失礼します。占いツクールでの作品の書き方ですが、台本書きでは無い他の作者様も大勢いますし、現に私も台本書きはしていません。書き方は作者様の自由なので、台本書きでも、台本書きじゃなくても、どちらでもいいと思います。私は、 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
Tatutatu(プロフ) - この作品とても好きです！続ける決断をなさってくれてとても嬉しいです……！ (2020年1月11日 10時) (レス) id: b586c3b914 (このIDを非表示/違反報告)
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