四面楚歌*１ ページ11
「ねぇ君、これ落としたよ？」
Ｓ１が行われた翌日の昼休み。
購買にパンを買いにいく途中、背後から肩を叩かれた。振り向くと、そこには太陽を閉じ込めたような明るいオレンジ髪のお兄さんが立っていて。
「このお財布。君のでしょ？」
「わっ、ほんとだ。ありがとうございます！」
「いーのいーの。気にしないで！」
ま、眩しいっ！
キラキラってエフェクトが見える！
「助かりました！お財布を無くしてたら死活問題だったので。何かお礼がしたいけど……どうしようかな。お兄さん、好きなものありますか？」
不良ちっくな人だとお金とか要求されかねないけど、こんな爽やかキラキラお兄さんに限ってそんな、
「好きな物？お金！！」
「えっ」
「俺、お金だぁい好き！」
ゲスい！！わんこみたいに懐っこい笑顔なのに、めっちゃゲスい！！！
さ、さすがはアイドル業界だ。おそらく綺麗なままでは生きていけないのだろう。「え？俺？前世は犬ですけど？」と言わんばかりのお兄さんを、こんな金の亡者にしてしまうなんて……。
と、妄想を膨らませていれば。
「こら明星。無闇に人に絡むな」
「びっくりしたぁ、驚かすなよホッケ〜！」
「毎度毎度急に走り出すなと言っているだろう。おまえを追いかける身にもなれ」
キラキラお兄さんの後ろから、これまたキラキラしたテンプレ王子様のようなお兄さんが出てきた。
黒髪のお兄さんが呆れたようにため息を吐く。眉をひそめた姿が、囚われのお姫様を想って胸を痛めているようでなんとも様になっている。顔か。顔がいいからか。
ちなみに、黒髪のお兄さんは、しっかりとキラキラお兄さんの首根っこを掴んでおります。隙がねぇ。
「この子がお財布を落としちゃってたから、それを渡そうと思ってのことだったんだよ。つまり人助け！」
ね。と不意に話を振られ、反射で首を縦に振る。
「はい。助かりました」
「だから仕方なかったってことで！今回は許して！」
「そうだったのか」
頷いてから乱雑に首根っこを離したお兄さんは、キラキラお兄さんが「もっと優しくして！！」とぶーぶー言っているのを鬱陶しそうに一瞥したあと、俺へ視線を寄越した。
「このアホが迷惑をかけなかったか？」
「ちょっとホッケ〜？！俺の話聞いてた？」
「聞いたうえで、だ。おまえはすぐ人に金をたかるだろう？お礼に金を寄越せと言っていても可笑しくはない」
「言ってないよ！…まだ！」
言う気なんかい。
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yukki(プロフ) - 続けてくださって嬉しい限りです！これからも応援しながら作者様の作品を読ませていただきます！！ (2020年1月11日 23時) (
レス) id: c7ca82405e (このIDを非表示/違反報告)
すみぃ(プロフ) - 続けて下さってほんとに嬉しいです！！pixivあんまり詳しくなくて作者様の作品見れるか不安なんですけど勉強します！！これからも影ながら応援しております！頑張ってください！ (2020年1月11日 19時) (レス) id: f77c46eafb (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - 作者様の書き方がとても好きですし、凄く読みやすいと感じています。なので、占いツクールでの活動を続けるという決断をなされた事が、凄く嬉しいです。最後になりましたが、更新、楽しみにしながら気長に待ってます。 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - こんにちは。突然ですが、コメント失礼します。占いツクールでの作品の書き方ですが、台本書きでは無い他の作者様も大勢いますし、現に私も台本書きはしていません。書き方は作者様の自由なので、台本書きでも、台本書きじゃなくても、どちらでもいいと思います。私は、 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
Tatutatu(プロフ) - この作品とても好きです！続ける決断をなさってくれてとても嬉しいです……！ (2020年1月11日 10時) (レス) id: b586c3b914 (このIDを非表示/違反報告)
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