禁忌術*５ ページ23
「……二度と顔を見ずに済むと思っていたのニ」
吐き捨てるような物言いに、思わず眉をひそめる。
「あの、お兄さん。さっきからずっと思ってたんですけど。その、生徒会長さんのこと嫌い、なんですか」
「憎しみで人が殺せたらいいと思うくらいには嫌ってるかナ」
一体何をやらかしたらそこまで憎まれることになるんだろうか。
「お兄さんがそこまで毛嫌いしてる生徒会長さん、逆に見てみたいですね」
蓮巳先輩が言っていた英雄なのか、はたまたお兄さんが憎んでいる残虐非道の生徒会長さんなのか。どちらにせよ興味はある。
「やめたほうがいいヨ。キミみたいなタイプは特に危ないかラ」
「ええっ？！俺が危険人物？！」
「自覚がないところも厄介だよネ」
やれやれとお兄さんが肩をすくめてみせる。
何もしてないはずなんだけどな。
「あっ。今その人ライブしてるんですね？どんな人なのか見てきま、」
「ちょっと待って」
駆け出す寸前、後ろから首根っこを掴まれた。ぐえっと変な声が出る。
「な、何するんですか！」
「ごめン。だけド、行かせるわけにはいかないんだヨ」
「ええ……。なんで」
お兄さんは少し言い淀んだあと、心底不快そうに顔を歪ませた。
「今日のライブは出来レースのようなものなんダ」
見る価値なんてなイ、と。そう言ってお兄さんは頑なに首を横に振る。そこまで嫌がられるとますます見たくなってくるけど……。
「……わかりました。行くの、やめときます」
見る機会はきっとあるはずだし、そのときまで我慢しよう。
「聞き分けが良くて助かるヨ」
お兄さんはほっとしたように息をつくと、それからぽつりと呟いた。
──キミが行くと、零にいさんが悲しむからネ。
「れいにいさん？」
「こっちの話」
曖昧に微笑んで誤魔化すと、ところで、と話題を変える。
「もう放課後だけど、いつまでもここにいて大丈夫なノ？」
「えっ！」
放課後？！まさか午後の授業を全てエスケープしてしまったんじゃないだろうか。だとしたらまずい。どれだけ寝てんだ。
「ど、どうしよ」
「大丈夫だヨ。ボクだってほとんど授業には出てないシ」
「よく留年しませんね」
「そこはほら、魔法の力デ」
魔法って便利だな。
「まあいいですけど……。帰る前に、お兄さんの名前教えてくださいよ」
「ああ、そういえばまだだったネ。逆先夏目、好きに呼んでいいヨ」
「じゃあ逆先先輩で！これからもたまに屋上にサボりに来ますね」
*
逆先夏目…にいさんたちから聞いてた以上にカモネギなAに危機感。抱きつかれたとき少しトキメイた。
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yukki(プロフ) - 続けてくださって嬉しい限りです！これからも応援しながら作者様の作品を読ませていただきます！！ (2020年1月11日 23時) (
レス) id: c7ca82405e (このIDを非表示/違反報告)
すみぃ(プロフ) - 続けて下さってほんとに嬉しいです！！pixivあんまり詳しくなくて作者様の作品見れるか不安なんですけど勉強します！！これからも影ながら応援しております！頑張ってください！ (2020年1月11日 19時) (レス) id: f77c46eafb (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - 作者様の書き方がとても好きですし、凄く読みやすいと感じています。なので、占いツクールでの活動を続けるという決断をなされた事が、凄く嬉しいです。最後になりましたが、更新、楽しみにしながら気長に待ってます。 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
「なる。」(プロフ) - こんにちは。突然ですが、コメント失礼します。占いツクールでの作品の書き方ですが、台本書きでは無い他の作者様も大勢いますし、現に私も台本書きはしていません。書き方は作者様の自由なので、台本書きでも、台本書きじゃなくても、どちらでもいいと思います。私は、 (2020年1月11日 12時) (レス) id: 61cc988ea5 (このIDを非表示/違反報告)
Tatutatu(プロフ) - この作品とても好きです！続ける決断をなさってくれてとても嬉しいです……！ (2020年1月11日 10時) (レス) id: b586c3b914 (このIDを非表示/違反報告)
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