花園でミッション*２ ページ17
「警戒しないで。怪しい者じゃないから」
「はあ……」
本当にそうなのだろうか。
適度に着崩した制服にシルバーアクセ。これはいわゆる、チャラ男──要は遊び人と呼ばれる人の特徴なんじゃ……。見た目で決めつけるのは良くないがここまでテンプレだと仕方ないだろ。
「俺は羽風薫」
「え？」
「三年生だよ。よろしくね」
「あ、はい。一年の城崎Aです」
あっ！名乗られたからつい返しちゃった。この遊び人(暫定)、やりおる！
「へぇ、可愛い名前だね」
羽風と名乗った先輩はそう言って微笑むと、俺の隣に座っ……た？
「え。なんで座った？」
「君ともっとお話したいから、って理由じゃ駄目？」
ほ、ほう。この俺とお喋りしたいと。いやー、お兄さんお目が高い！……なんて、言ってる場合じゃない。何がどうしてそうなった。駄目？って、駄目だが！？
「そう怖がらないでよ。取って食おうってわけじゃないんだしさ」
テーブルに肩肘をついてその手に顎を乗せながら告げられた言葉とは裏腹に、獲物を狙うような鋭い視線を感じる。
この手のタイプは苦手だ。ロクな思い出がない。
「ここで何してたの？」
「休憩デス」
「そっか。落ち着いてていいよね。俺もお気に入りの場所なんだ」
「ソウナンデスネ」
「うん。この時間なら人も来ないからゆっくりできるし。それに……」
言葉を区切ると、彼は不意に俺との距離を詰めてきた。反射的に後ずさろうとするも、いつの間にか彼の手が肩に回されていて身動きが取れなくなる。
「こうしてると、まるでデートみたいじゃない？」
耳元に息がかかるほどの距離。
吐かれた息は低く掠れていて、妙に色っぽい。
ドキドキといったときめきは一切ないけれど、言い難い恥ずかしさが身体中を駆け巡る。耐えきれずに顔を限界まで後ろに反らせながら、一生懸命両手で先輩の腕を掴んで引きはがそうとしても、ピクリともしなかった。
「か、揶揄うのもいい加減にしろよ！限度ってモンが」
「揶揄ってなんかないよ」
あ、そうなの？
揶揄ってないのか。そっかー。へー………。
「っえ！？そ、なんっ、？」
へー、じゃないぞ俺！
この人、男相手にそんなことっ……まさかソッチの気がおありで！？男子高にいると目覚めてしまう人が多いと聞くけども！！
人の嗜好を否定する気がないとはいえ、自分が標的にされたとなれば話は別だ。俺はノーマルだから。
「あはは。そんな反応されたら、つい意地悪したくなっちゃう」
「あ、あのですね！俺にそういう趣味は……ひぇっ！？」
先輩の手が滑るように移動して、俺の頬に触れる。驚いて顔を上げると綺麗な顔が目の前にあった。…だ、誰か助けて。
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苺バニラ(プロフ) - りなさん» ありがとうございます！そう言って頂けると、嬉しい限りです！更新が遅めになっていて申し訳ない気持ちで一杯ですが、これからも頑張ります！ (2019年8月20日 14時) (
レス) id: 563228d52f (このIDを非表示/違反報告)
りな - 凄く良かったです!!面白かったです!!更新無理をせず頑張ってください！応援します!! (2019年8月20日 10時) (レス) id: 55c1958e88 (このIDを非表示/違反報告)
苺バニラ(プロフ) - りさこさん» ありがとうございます(*´ω｀*)とっても嬉しいですし、励みになりました！りさこさんは優しい方ですね！今後も頑張ります!! (2019年7月29日 7時) (レス) id: 563228d52f (このIDを非表示/違反報告)
りさこ(プロフ) - 更新お疲れ様です！とにかく最高でした！！これからも応援してます！！ (2019年7月29日 0時) (レス) id: c7281289de (このIDを非表示/違反報告)
苺バニラ(プロフ) - 夜桜ナイフさん» ありがとうございます！時間が空き次第でよければ、拝見させてもらいますね！ (2019年7月14日 16時) (レス) id: 563228d52f (このIDを非表示/違反報告)
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