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*
その姿を捉えた瞬間、胸が押しつぶされそうになった。
一瞬が、スローテンポで進んでいる気がした。
よか････っ･･
エ「撃てぇッ!!!!!」
安堵の言葉が頭に浮かぶか浮かばないかの内に、エルヴィンの合図が出され、
ﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞｯｯｯ!!!
何百本ものワイヤーが、敵の体へ撃ち込まれた。
ﾊｧ､ﾊｧ､ﾊｧ､ﾊｧ･･････
張り詰めていた緊張がとかれ、あたしは呼吸を整えた。
全身の力を抜くと、手に握られていた引き金がはらりと空中へ揺れた。
あの一瞬で、あたしはエルヴィンの合図とともに握り締めていた引き金を反射的に思い切り引いていた。
「ｸﾎｯ･･･」
辺りは、一斉に火をあげて消えた火薬の煙が立ちこめ、周りがよく見えない。
ふと頭上を見ると、エルヴィンが既に大木の枝の上で戦果を確認している姿があった。
エ「まだだ！関節の固定を補強しろ！」
下にいる兵たちに、確実に仕留める為の指示を出している。
ﾊﾟｼｭｯ
立体機動のアンカーをエルヴィンの近くの枝へ飛ばして、彼の隣へと急ぐ。
ｽﾀｯ
「･･･････！」
上から見下ろしてぼんやりと浮かんだ敵の姿にあたしは驚いた。
女の体を
「こんな巨人、初めて見た･･･」
エ「私もだ」
エルヴィンとともに、ワイヤーで身動きを封じられた巨人を見下ろしたまま言葉を交わす。
ハ「エルヴィン！成功だね！！」
少し離れた枝に移動したハンジが、こちらへ手を振る。
エ「あぁ！だが油断はするな」
慎重なエルヴィンがハンジへ返事を返す。
エ「とにかく無事に捕獲に成功した。ほどなくリヴァイがここに来るだろう」
「え？」
エ「敵をうなじから引っ張り出す任務はリヴァイに任せてある」
そうだったんだ･･･
てっきり、この場にいる誰か･･･例えばあたしとか、ハンジとか、何ならエルヴィンが直々にするんだと、勝手に思ってた。
リヴァイが、ここに来る･･･
そう考えただけで、鳥肌が立った。
ﾎﾟﾝ･･･
ふいに、エルヴィンの手があたしの肩に乗せられた。
エ「よく耐えたな。壁の外の世界へ一歩近づいた」
「････うん」
*
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ico(プロフ) - カレンさん» 嬉しいご感想ありがとうございます！励みを頂き力が湧きます！頑張ります！ (2018年6月20日 15時) (
レス) id: ba96530b2c (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - とっても面白いです！これからも頑張って下さい！ (2018年6月17日 23時) (レス) id: 5dabf5f2d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ico | 作成日時：2018年6月9日 14時
