【BL】【仮面ライダー】冗談も程々にしろ！【短編集】

古傷(凌×貴)※ ページ28

※ゆるゆるだらだら成人向け。結構な謎文に仕上がりました…( )




君の、痛みと快楽に少しだけ歪む顔が見たくて＿＿
今日も君の古傷を貪る。


二度目の重なりを示すものが、今行われる。
貴虎はもう治った筈の古傷から、刺激を感じた。
凌馬は躯を撫でながらその傷に璽を付けていく。
時計の針は深夜2:08を指す。
混ざり混ざって無限に広がりそうな灰色のダブルベッド。
そんな淡い空間に甘い彩が上書きしていった。

「くｯ＿ぁ、あ＿＿」
凌馬に身体を全て任せ、最高潮に向かっていくように貴虎は啼く。
今日で二回目の重なりのため、如何わしい音を響かせてすんなりと受け入れていく。
律動が速くなっていく。奥まで達し、感じるところを探り、突いていった。
二人は汗をたらたらと流し、強く手を結んだ。
ふと、貴虎は凌馬に聞く。
「…っぅ…気持ちよく、なってる…か…？」
凌馬は余裕のある表情で答える。
「…お陰様で…ｯ＿＿」
中が窮屈になってくる。
貴虎の呼吸が荒く、冷静さを失ってくる。
「っぅうぁぁｯ＿＿はぁ、はぁっ……」
先走りのとろとろした蜜が流れ、二人を濡らしていく。
凌馬は動かしながらも、貴虎の古傷に唇で触れる。
かつて自分のせいで負った、痛々しい古傷を悔しそうに噛む。
「この傷の痛みが少しでも誤魔化せるように」
と、まるで童話の中の綺麗事のような考えだ。
だが、そんな綺麗事も承知で自身も貴虎も汚す。
この汚れで少しでも古傷が負うものが消えれば、その一心で強く噛んで、少量の血も流れ始めた。
「っあぁ＿＿ぁあぁああぁｯｯ＿！！」
中に贖罪とも言える蜜を吐く。快楽に浸った貴虎を強く抱き締めた。
「すまない」
凌馬は思わず呟く。ふらふらとして息が上がっている貴虎も、強く、強く抱き締め返し、凌馬の本位に話し掛けた。
「…俺は、傷の癒しなんか…いらな、い…」
その言葉にハッとした。静かに、貴虎の望むものを聞いた。
「何も、考えなくて…良い…お前とは、純粋に、愛しあいたい…からな」
貴虎が凌馬の唇を奪う。
古傷じゃない、凌馬にしか味わえない場所。
慰めも誤魔化しでもない、唯の愛という感情だけが、そこには存在していた。
短く、簡潔に多くを語る言葉を凌馬は囁いた。
「…ありがとう」
そっと傷に触れてから、抱き締めあって目を閉じた。

作者の海産物より！→←長期休暇を取りましょう(凌×貴)

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