【BL】【仮面ライダー】冗談も程々にしろ！【短編集】

もう少しだけ(凌→貴) ページ6

「どうされましたか」
湊耀子は急に呼び出したプロフェッサー、凌馬に訊ねた。
「すまないね湊くん。少し相談なんだが＿＿」
一呼吸置いて、じっと湊を見ながら凌馬は言う。

「……私は貴虎に片想いをしてると思う」

「……………………はっ？」

「所謂、恋煩いってやつだね、うん。」
なにをいっているんだ
What is he speaking now？

「何を言っていらっしゃるんですか」

直感で、速攻で、迅速に訊ねる。
雑に言うと、何言ってんのお前。
すると凌馬は肩を竦める。

「何度も言わせるな。私は貴虎が好きだ。片想い中である。」
湊は少し目眩を覚えた。
確かに二人は高校時代からの仲だが、まさかプロフェッサーの想いがこんなに強いなんて……
正直、こんなに愛される貴虎が羨ましいと感じたが、邪念は払い口を開いた。
「何故片想いなんですか？」

「うーん…プロフェッサーのカン、見たいなやつじゃないかな」

あーもう、聞いてらんない。
本心を超丁寧にオブラートへ包んだクールフェイスな湊は提案した。

「主任と直接お話をされたらいかがですか」
すると凌馬はみるみるうちに、笑顔になってきた。
「……！湊くん…！そうさせてもらう、感謝するよっ」

直ぐに走って部屋を出る凌馬の後ろ姿を眺める。

面倒くさいけど、頑張ってほしい。
湊は少し微笑んで、仕事へ戻った。



「貴、虎…ｯ！」
休憩スペースに貴虎は一人でいた。
「凌馬…！こんなに走ってどうしたんだ…？」
息を整えていざ、自分の心の気持ちを話そうとした。
しかし、何かがひっかかる。
もし、馬鹿にされて今までみたいにいられなかったら、
見放されて、独りになってしまったら。
凌馬の考えは次第にネガティブとなり、俯いてしまう。
「凌…」
名前を呼び終わらないうちに、凌馬は貴虎に抱き着いた。
様々な想いの詰まった抱擁だった。
力が籠っているが、手が、腕が震えている。
「凌馬…」
凌馬の目尻が熱くなっている。涙声で、絞るような声を震わせて貴虎に懇願した。

「もう少しだけ、このままでいさせてくれ…」

その想いは貴虎に少しずつ伝わり、優しく凌馬の頭を撫でた。
もう少しだけ、ほんの少しの時間でも、永遠みたいなもの。

インドア派の遠出(凌×貴)→←深入りはコーヒーの味(凌×貴、若干の貴×凌)

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