【BL】【仮面ライダー】冗談も程々にしろ！【短編集】

湊耀子くんの反乱({凌×貴}+耀+シド) ページ20

三人だけの研究室。
上司であるはずの二人は床の上。
部下であるはずの彼女は椅子の上。
ついでに社長座り。
「言わせていただきたいのですが」
ごく、と音を立てて二人は唾を飲む。
「会社で情事をしないでいただきたいのですが」
深々と頭を下げる二人。
「すいませんでした」
「すまなかった」
にこやかな(目は笑っていない)表情を湊は浮かべ、宣告。
「クビにしますよ？」
その瞬間、凌馬は貴虎に抱きつき叫ぶ。
「それは私だけでいい！貴虎にはまだ可能性がある！これは全部私のせいだ！」
貴虎も負けない。
「いや、凌馬こそ残るべきだ。凌馬以上の頭脳を持った人間などいるわけがない。俺がクビになる。」
凌馬は言い返した…が。
「それはちょっと見通しが甘いんじゃないかな…私以外にも頭のいいやつなんて意外と…いや、いないか。」
「そうだ。だからお前は残れ。俺がユグドラシルにいなくても協力するつもりだから安心しろ」
貴虎の嘘偽り無いその言葉に凌馬の目が光り輝く。
「貴虎…！君という男はっ！」
バン。
正確にはﾄﾞｩﾊﾞｱｱｱｱｯｯｯﾝ。(ｽﾜｰﾝ)
「いい加減にしなさい処すわよ」
「すいません」
「すまない」
その時、研究室に入ってきたシド。
「やっと取り押さえられたってもんよ…えっ何、物騒なこった」
おぉ怖と踵を返すも、ﾋﾞｼｨｯという鞭のような目線を受けたシドは硬直する。
「待ちなさい」
ガクガク震えながらゆっくりと後ろを振り向く。
「ユグドラシル軍事的革命を起こすわよ」
Noと言えば拷問されながら殺されそうな勢いの殺気を感じ、シドはうんうんと頷く。
ギロリ、と美しく恐ろしい眼光が凌馬と貴虎を捕らえる。
「全部ボウヤ達のせいですからね」
もう丁寧なのか命令なのか、見下しているのか分からない。次なにかやったらアーマードライダーマリカになりそうなレベルである。しかも極で変身しそうな勢い(危険)。
「まぁ、一週間ほどこれですから。覚悟しておいてください」
そう言って、シド(震動状態)と共に去る湊耀子(次期女王)。
貴虎を見て、凌馬の一言。
「このスリルが味わえるのも、全部私のせいだハッハッハ」
「もう許さん」
二人は正座を解かない。というか、解けない。足だけ金縛りのようである。
「その私を憎む顔もとても可愛いじゃないか」
「もうお前のせいで腰も頭も痛い」

予定一週間。しかし湊耀子様の反乱は一週間越えても続きそうである。
理由はご察し下さいね、とダーク湊耀子様は微笑するのであった。

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