太陽の光の中 ページ10
朝日を見たのはいつぶりだろう。
そう思うほど早く起きた。
と言っても太宰さんの起きる時間に起きただけ。
人間の時間にすれば少し遅いくらいだろう。
太宰「無理して起きなくてもいいのだよ？」
貴方「無理してません」
窓の外から目を離し、彼の方を向く。
まだ何処か眠そうな彼はおいで、と腕を広げた。
勿論、僕と太宰さんは利害が一致してる(？)というだけで決して恋人同士なんかじゃない。
だから腕を広げられた所で、自分から飛び込んで行くなんて厚かましいことはできない。
と言うか、する気になれない。
太宰さんの正面に座ると彼は肩を落として長いとは言えない僕の髪を指に絡め出した。
太宰「何か食べるかい？」
貴方「別に気にしないで下さい。ついででいいですから」
太宰「お腹空いてるだろう？」
貴方「大丈夫ですよ。吸血鬼は物を食べなくったって血があれば生きてけるんです」
食べてもいいけど、食べた所で死なない訳じゃないのだ。
食べたって血がなきゃ死ぬ。
太宰「でも血は苦手って言ってたじゃないか」
貴方「苦手だけど…。でも飲んでないわけじゃないので」
太宰「でもあれから何日も経ってるでしょ」
貴方「……」
太宰「体、大丈夫なの？」
貴方「…大丈夫です」
確かに何日も経ってるから大丈夫と言えば嘘になる。
でもこれくらいまだ我慢できる範囲だ。
彼を無闇に傷つける事はしたくない。
太宰「辛くなったら言うんだよ。私は構わないんだから」
貴方「わかりました…。どうして太宰さんはそこまでしてくれるんですか。借りがあるのは僕の方なのに」
太宰「私が好きでやってるんだけれど、駄目かい？貸しとか借りとか関係なく、君が心配なんだ」
…変な人。
まぁ彼を必要としてる時点で僕も変なのだけど。
でも今思えば彼の事を何も知らない。
僕の事も彼は知らない。
……知ってみたいかもしれない。
とん、と彼の首筋に顔を埋める。
太宰「何？どうしたの？」
貴方「……太宰さんの事、ちゃんと知りたい」
太宰「私のこと？…話す程のものは何も無いよ」
貴方「そんな事無い。…何も知らないもん。…教えて」
彼はそうだなぁ、と悩んだように呟きながら僕を優しく抱き寄せた。
何をそんなに悩むんだろう。
太宰「教えてもいいのだけどね、知ってしまったら私から離れられなくなるだろう？」
貴方「…迷惑ですか…？」
太宰「そうじゃない。ただ後悔してほしくないだけさ」
どうして後悔するの？
その言葉は電話の音に消された。
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二次元好きのAlice(プロフ) - 紅野さん» いえいえ(*´-`)元々好きな作品なので読みづらくなるのは嫌だったので助かりました(*´∀｀) (2018年9月27日 23時) (
レス) id: 7014feb675 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 二次元好きのAliceさん» 見つけられたみたいで良かったです。こちらこそ面倒な作業をしてまで見てくださってありがとうございます…！頑張らせてもらいます…！ (2018年9月27日 0時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
二次元好きのAlice(プロフ) - 紅野さん» 丁寧に教えて頂いたお陰でなんとかなりました！ありがとうございます(*´ω｀*)これからも更新頑張って下さい(*´∀｀) (2018年9月26日 22時) (レス) id: 7014feb675 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 外都騒川さん» こっちにもありがとうございます…！そう言って貰えるととても嬉しいです！私の書いているもので何か参考になれていれば、それは私にとって贅沢です笑 (2018年9月26日 17時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
外都騒川(プロフ) - 面白いです、僕もこんなお話書けるようになりたい。アンケートでも書いてしまったんですが続きが楽しみです。 (2018年9月25日 21時) (レス) id: 463bf4e276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅野 | 作成日時：2017年9月24日 22時
