恐る恐る ページ11
どうやら電話の相手は彼の仕事仲間らしく、僕と話す時とは比べ物にならないくらい巫山戯て話す彼。
武装探偵社ってこんな変わった人雇ってんだ…。
きっと早く来いとかそんなんだろう。
電話の向こうからとてつもない怒号が聞こえる。
太宰さん行っちゃうのかな…。
そりゃ仕事だもん行くに決まってるよね…。
太宰「どうしたの?暗い顔して」
貴方「え、いや、何でも無いです」
太宰「本当に?」
貴方「本当に」
太宰「…そう。私行ってくるね」
貴方「わかりました。…行ってらっしゃい」
太宰「……行って来ます」
迷う様にそう言って出て行った。
…寂しいかも。
貴方「……太宰さん」
一人になると突然彼が近くに居てくれたらと思う。
手が小刻みに震えてる。
怖いのかな、僕。きっと怖いんだ。一人になる事も、生きてる事も。
太宰さんが居ないから怖くて寂しくて寝れもしない。
小さい頃からいつも周りには誰かしら人がいた。小さい頃は教育のため、大きくなってからは監視のため。だから嫌でも一人になる事はなかった。
でも今、僕のそばにいてくれるのは太宰さんだけ。
普段は彼が帰ってくる頃に起きるから一人だと感じることはない。でも今日は早くに起きてしまった。
怖い……。
ふと視線を部屋の隅にやると何かが光って見えた。恐る恐る近づくとそこにはさっきまで太宰さんが持っていた携帯があった。
……届けなきゃ。困るよね。
棚を漁ると部屋のスペアキーらしき物があった。
それを拝借してそっと部屋から出る。
久しぶりに出た外は天気が良く、僕の目には少し明る過ぎる気がした。
彼の働く武装探偵社の場所は何となく知っている。
行ったことはないけど、何処にあるかは聞いたことがある。
どこで聞いたのかは覚えてないけど。
記憶を頼りに道を進んで行くとそうだと思われるビルについた。
……喫茶店?
とりあえず此処で聞いてみようかな。間違ってたら怖いし。
そっと扉を開くとカウンターに男性が一人立っていた。
貴方「…あ、あのお尋ねしたいのですが」
「どうされました」
男性はとても丁寧に返事を返してくれた。
怖い人じゃなくて良かった…。
貴方「えっと、武装探偵社のビルって此処で間違いないでしょうか…」
「えぇ。此の上にありますよ」
貴方「良かった…。ありがとうございます」
表情の優しい男性に詳細を聞いたところで上へと向かう為にエレベーターのボタンを押した。
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二次元好きのAlice(プロフ) - 紅野さん» いえいえ(*´-`)元々好きな作品なので読みづらくなるのは嫌だったので助かりました(*´∀`) (2018年9月27日 23時) (レス) id: 7014feb675 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 二次元好きのAliceさん» 見つけられたみたいで良かったです。こちらこそ面倒な作業をしてまで見てくださってありがとうございます…!頑張らせてもらいます…! (2018年9月27日 0時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
二次元好きのAlice(プロフ) - 紅野さん» 丁寧に教えて頂いたお陰でなんとかなりました!ありがとうございます(*´ω`*)これからも更新頑張って下さい(*´∀`) (2018年9月26日 22時) (レス) id: 7014feb675 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 外都騒川さん» こっちにもありがとうございます…!そう言って貰えるととても嬉しいです!私の書いているもので何か参考になれていれば、それは私にとって贅沢です笑 (2018年9月26日 17時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
外都騒川(プロフ) - 面白いです、僕もこんなお話書けるようになりたい。アンケートでも書いてしまったんですが続きが楽しみです。 (2018年9月25日 21時) (レス) id: 463bf4e276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅野 | 作成日時:2017年9月24日 22時