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慣れない味 ページ8

太宰さんの目には何時か見たことのある色があった。
僕がここに来るまでぶつけられてきた欲。
それを持つ人の目と同じ。
でも、この人はカラダ目当てで僕を此処に置いてるわけじゃない。……と信じたい。

貴方「あ、の……今、するんですか……?」

太宰「嫌ならやめるよ」

貴方「そうじゃなくて…その…」

太宰「何?」

貴方「……優しくして、下さい」

太宰「ふふっ。わかったよ」

微笑んだ彼の顔が少しずつ近づいて来る。
慣れない事が不安なのもあってぎゅっと目を瞑ると、唇に何かが当たる感覚がした。
触れてるだけの優しい接吻を何度かした後、彼の舌が口の中に入って来た。
薄っすらと目を開けると彼の細められ瞳と視線が合う。恥ずかしくなってまた目を瞑る。

彼の接吻は脳が溶ける様な感覚に襲われる程、優しくて、甘くて、気持ち良い。
絡めてくる彼の舌にもっとしてとせがむ様に自分の舌を絡める。
吐かれる吐息や甘い声やたまに聞こえる水音にくらくらとしながら、自分が自分じゃないみたいだと他人事のように思う。

やがて離れた彼は見せる様に態とらしく口の端を舐めた。
それを見て口の中に残っていた自分のものか彼のものかわからない唾液をこくんと飲んだ。美味しい。

太宰「慣れてないにしては上手だね。どうだった?」

貴方「どうって…。僕の知ってる接吻とは違いました」

太宰「今までどんなのされてきたの」

貴方「乱暴で強引で無理矢理。自己満足の為に男がするものだと思ってた。けど、太宰さんのは優しくって、血と同じように甘くて、くらくらする程気持ち良かった」

太宰「嫌じゃないかい?」

貴方「……もっとして」

太宰「また今度、ね?」

頷くと良い子だねと言って僕を抱き寄せた。
きっと彼はこういう事を好きでもない異性に沢山してきたんだろう。

貴方「……僕、血とか苦手だけど太宰さんのは全部甘くて美味しいから好き」

太宰「じゃあその味が分からなくなったら私の所から居なくなってしまうの?」

貴方「え……」

何でそんな事言うんだろう。
僕が彼を必要とする理由は幾らでも見当たる。
でも彼が僕を必要とする理由なんて無いはずだ。

太宰「どうなの?」

貴方「…僕にそれを選ぶ権利はありません。僕は此処に置いてもらってる。だから太宰さんが出て行けと言えば出て行くし、行くなと言えば何処にも行きません」

太宰「君の好きにして良いのに」

貴方「好きに……可能な限り此処に置いてください」

太宰「勿論だよ」

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二次元好きのAlice(プロフ) - 紅野さん» いえいえ(*´-`)元々好きな作品なので読みづらくなるのは嫌だったので助かりました(*´∀`) (2018年9月27日 23時) (レス) id: 7014feb675 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 二次元好きのAliceさん» 見つけられたみたいで良かったです。こちらこそ面倒な作業をしてまで見てくださってありがとうございます…!頑張らせてもらいます…! (2018年9月27日 0時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
二次元好きのAlice(プロフ) - 紅野さん» 丁寧に教えて頂いたお陰でなんとかなりました!ありがとうございます(*´ω`*)これからも更新頑張って下さい(*´∀`) (2018年9月26日 22時) (レス) id: 7014feb675 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - 外都騒川さん» こっちにもありがとうございます…!そう言って貰えるととても嬉しいです!私の書いているもので何か参考になれていれば、それは私にとって贅沢です笑 (2018年9月26日 17時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
外都騒川(プロフ) - 面白いです、僕もこんなお話書けるようになりたい。アンケートでも書いてしまったんですが続きが楽しみです。 (2018年9月25日 21時) (レス) id: 463bf4e276 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅野 | 作成日時:2017年9月24日 22時

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