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言わないで×4 ページ4

貴方「ノワール、来て」

ノワール「どうしたの?まだ苦しいの?」

貴方「生きるって何だろう…。ねぇ、私を殺して」

ノワール「どうして!やだよ。僕には君が必要なんだ!」

貴方「生きてる意味がなくなっちゃったの。辛い思いをするなら死んだ方がいい」

彼の中で何かが切れる音がした。
それは私にだけ届いて部屋にいた三人の構成員には届かなかった。

ノワール「……じゃあ君の周りの世界を殺す。そうすれば君が苦しむ事も死ぬ事もない」

貴方「…そうだ。沢山人を殺せば同じ所に立てるかな。二人に追いつけるかな」

彼らと同じ所に立って、二人を殺して死ぬ。
それが私の生まれてきた理由かな。
そうかもしれない。
もう忘れたなんて、知らないなんて言わせない。

貴方「ノワール、殺そっか」

微笑んだ彼は、部屋にいた三人の構成員を簡単に殺した。
手に持った矢で二人を刺し、逃げようとすると一人を消し去った。

貴方「居なくなっちゃった…」

ノワール「異空間に飛ばしただけだよ。すぐ死ぬさ。異空間は人間界の何倍も時間の流れが早いからね」

そう言って銃を手渡した。
握らされ乍ら何だろうと考えた。

ノワール「そいつらまだ生きてるからね。Aがちゃんと殺して」

貴方「…怖い」

ノワール「大丈夫だよ」

少し震える手で心臓に向け銃を構えた。
近い距離。外すはずない。人を殺めるのが怖かった。
引き金を引けば私も憎い二人と同じ人間になれる。

沢山の人に慕われ、褒められ、恐れられ、愛された彼ら。
大ッ嫌い。
彼らを讃える声に私の姿なんて消されてしまった。
ならその声を消して嫌でも書き直してやらないと。
私がどれだけ愛し、苦しみ、悲しんだかを、あの何も知らない人達におしえてあげなきゃ。

ふっと笑って引き金を引く。
大きな音と共に目の前に横たわる男の呼吸が止まった。
初めて人を殺めた時だった。
快感だった。
私の手で誰かが一生を終える。
無理矢理幕を閉じてやる。
楽しい。

愛だったものは憎悪に、恐怖は快楽に変わった。
森さんは二人の死体を見て顔色を変えた。
私の目に映るのは狂気だった。
今思うと狂ってたんだ。
愛を失い、自分より愛されてる彼らを見ているのが耐えられなかったのだ。

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設定タグ:文スト , 太宰治 , 紅野   
作品ジャンル:恋愛
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アミ - この作品、すごく面白かったです!!更新頑張ってください! (2020年4月8日 11時) (レス) id: 808cf034c3 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - モクズノドウケシさん» ありがとうございます…!掛け持ちしてるせいで更新かなり遅くなってしまいましたがここからまた頑張ります! (2019年1月5日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
モクズノドウケシ(プロフ) - 織田さんの出した最後の正しい道……。感極まります……、続きだ。嬉しい。更新頑張って下さいね! (2019年1月5日 13時) (レス) id: fd101bcda6 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - ジブリールさん» ありがとうございます!ゆっくり更新ですが頑張ります…! (2017年12月27日 13時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
ジブリール - 続きが凄い気になります!更新待ってますね! (2017年12月24日 22時) (レス) id: 41cfeef620 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅野 | 作成日時:2017年10月8日 22時

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