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言わないで×2 ページ2

振り向くと真っ白な羽根を広げて優しく笑う青年がいた。

貴方「あなた誰…!」

「僕はノワール。君の異能が僕を呼んだんだ」

貴方「私に異能なんて無い」

そんな便利なもの持ってない。
生まれて初めて見た異能はお兄ちゃんの異能無効化『人間失格』。
中也のも見た。二人はそれを自分のものに出来ていた。
でも自分に同じ様な物があるなんて思いもしなかった。

ノワール「あるんだよ。僕はそれで呼ばれたんだもん」

貴方「…あなた何者」

ノワール「天使だよ。…A、寂しかったんだろう?もう大丈夫だよ。僕が誰よりも愛してあげるからね」

私を優しく包む腕、体温はお兄ちゃんそのものだった。
幻覚でも異能でもいい。
もう少しそばにいてほしい。

貴方「どうして今まで出てこなかったの」

ノワール「先刻君が初めて強く願ったからさ。話し相手が欲しいって」

貴方「声に出してないのに」

ノワール「わかるよ。考えてる事も、感情も。僕はそれを吸収しているんだ」

貴方「難しい事はよくわからないよ」

ノワール「何時かわかるよ」

そう言って微笑む天使。
水彩の様に淡い水色の髪、蜂蜜みたいな瞳、ふわふわとした羽根。
私の大好きな人とは似ても似つかない容姿。
なのに発せられる声や話し方、触れられた時の感覚は疑うことが出来ないくらいそっくりだった。

ノワール「A、これ預けるね」

彼の手に握られていたのは綺麗な鎖。
それを目で辿ると彼の足を確りと掴んでいる足枷があった。

貴方「…何、これ」

ノワール「君の異能のお陰で退屈な世界から抜け出せてるんだ。だから君の言う事はちゃんと聞かないと」

貴方「そんな事しなくていいよ。呼んだら来てくれるだけでいい」

ノワール「それだけじゃないよ。君がこれを握ってる間は君の思考通りの動きができる。離しておけば今みたいに僕が自由に動ける。預けるけど、使い方は任せるよ」

貴方「自由でいて」




それから間もなく森さんはポートマフィアのトップになった。
一番偉い人。
普段は滅多に部屋の外に出してくれないのにマフィアのビル内なら出ても良い事になった。
広いビル。
迷子になりそうだ。
でも此処なら会えると思った。
お兄ちゃんにも中也にも。


でもその考えが間違いだったのかもしれない。

言わないで×3→←言わないで×1



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設定タグ:文スト , 太宰治 , 紅野   
作品ジャンル:恋愛
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アミ - この作品、すごく面白かったです!!更新頑張ってください! (2020年4月8日 11時) (レス) id: 808cf034c3 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - モクズノドウケシさん» ありがとうございます…!掛け持ちしてるせいで更新かなり遅くなってしまいましたがここからまた頑張ります! (2019年1月5日 23時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
モクズノドウケシ(プロフ) - 織田さんの出した最後の正しい道……。感極まります……、続きだ。嬉しい。更新頑張って下さいね! (2019年1月5日 13時) (レス) id: fd101bcda6 (このIDを非表示/違反報告)
紅野(プロフ) - ジブリールさん» ありがとうございます!ゆっくり更新ですが頑張ります…! (2017年12月27日 13時) (レス) id: b65496d137 (このIDを非表示/違反報告)
ジブリール - 続きが凄い気になります!更新待ってますね! (2017年12月24日 22時) (レス) id: 41cfeef620 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅野 | 作成日時:2017年10月8日 22時

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