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103◆双方の思惑◆ ページ9



「だ、大丈夫だよ。確かに火神さんのことはちょっと怖いけど…Aちゃんとは別人でしょう?それに誠凛にはマネージャーがいないし…」

「誠凛の手伝いはしてくれていい。俺が言いたいのは深入りするなということだ。それから、合宿中は一人になるな。練習の時以外は桃井か、洛山の誰かと行動するんだ」


たった今、火神Aをどう駒にしてやろうか考えていたところだったのに。護衛をつけられては、内密に火神Aに接触するチャンスがない。火神Aを罠に仕掛けることが出来ないということだ。

赤司は白鷺を想ってのことなのだろうが――白鷺にとっては計画を阻む余計な気遣いでしかない。
舌打ちしたい気持ちを抑えて、白鷺はわかった、と一言答えた。


「でも、そこまでしなくても…」

「何かあってからでは遅いんだ。それにお前はお節介だから、目を離せば何をしでかすかわからない」

「お、お節介って…なんでそういうこと言うかなっ、この人は!」

「事実だろう?ああ、無用の口出し、と言った方がいいかな」

「もう!さっきから酷いよ征十郎くん!」


ぷんぷんと怒ってみると、赤司は笑いながら白鷺の頭を撫でた。
確かに余計な気遣いではあるが、赤司が白鷺を想ってのこと――他の誰でもない、白鷺だけに向けられたものだと思えば、寧ろ歓喜にも似た気持ちが沸き上がる。

護衛を付けられたとてどうということはない。護衛だって時中常に一緒にいられる訳ではないはずだ、隙を見て離れることは容易いだろう。さして問題でもあるまい。

さて、どのようにして火神Aを陥れるか…赤司と談笑しつつ頭の片隅に思考を巡らせていると、前方から青峰が歩いて来るのに気付く。


「青峰?」

「あ?…おー、赤司と白鷺か。なあ、さつきどこ行ったか知らね?」

「さつきちゃん?」

「見ていないな」

「そーかよ。…ったく、どこ行きやがったアイツ」


青峰は面倒くさそうに舌打ちし、がしがしと頭を掻く。


「桃井がどうかしたのか?」

「別にどうってことはねえんだけどよ。もうすぐ練習始まるっつーのに居ねえから探してやってるだけだ」

「……」

「征十郎くん?」


赤司は何か考えるように押し黙った後、「まさか、」と呟いて踵を返す。


「百合、先に行っていろ。青峰はこれを持っていてくれ」

「は、…ってオイ、赤司!」

「ちょっ、どこいくの!?」


赤司は持っていた籠を青峰に押し付けると、「すぐ戻る」とだけ告げて元来た道を走って行った。


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設定タグ:黒子のバスケ , キセキの世代   
作品ジャンル:アニメ
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あかりんご(プロフ) - ずっっっと待ってます、また更新してくれるのを楽しみに待ってます! (2021年4月11日 16時) (レス) id: 9550685691 (このIDを非表示/違反報告)
何卒 - 続き待ってます…。不安定な所での更新停止中なので何だかウズウズしてしまいます…。 (2020年2月9日 3時) (レス) id: 58baba6999 (このIDを非表示/違反報告)
ミズキ - こ、ここで?ここで更新停止中なの?!めちゃくそ気になんじゃん…更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2019年11月21日 18時) (レス) id: da8ce484b3 (このIDを非表示/違反報告)
紫水(プロフ) - とてもおもしろくここまで読ませて頂きました!この後キセキと真白ちゃんがどうなっていくのか、とても気になります…!お話の続き、待ってます!! (2019年11月2日 13時) (レス) id: 4db15d5771 (このIDを非表示/違反報告)
honoka1013(プロフ) - この続きがとても気になります。更新を再開してくれませんか?楽しみにしています (2019年9月3日 15時) (レス) id: f57eb90381 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:縁樹 | 作成日時:2016年12月24日 5時

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