【ダンウォ】図書室で出会ったあの子

◇No22(鹿島side) ページ25

鹿島「……ごちそうさまでした！！」

　沢山の生徒で、今日も賑わう食堂

　男子のおしゃべりや、女子の黄色い声が聞こえる

　そんな中、私とキャサリンは昼食を楽しんでいた


キャサリン「ユノ、相変わらず食べるの早いわね……」

　デザートをほおばりながら、キャサリンはこちらに目を向けた


鹿島「そう？キャサリンこそ、今日は早いじゃん」

　手元のお皿やゴミをまとめつつ、言葉を返した

　ちなみに、ハナコとキヨカは購買にパンを買いに行っている

　給食、頼み忘れたんだって


キャサリン「……今日だけよ。好きなものがあったんだもの」

　……確かに、カレーの時とかはみんな食べるのが早い

　私もそうだけどね




出雲「全く……。あいつはどこへ行ったんだ」

細野「あのアラタだし、もう食べ終わってるかな……」

　この声は……

　サッと振り返ると、アラタを除く第一小隊

　三人はお盆を持って、こちらへと向かっていた


キャサリン「あら？ハルキ達、ご飯まだだったの？」

　私達がここに来たのは、十二時半

　だけど既に、時刻は一時を回ろうとしていた


出雲「ちょっと、アラタを探していてな……」

細野「アラタのことだから、もうここにいないだろうけど……」

　ハルキは給食を机に置き、一つ、ため息をついた

　その向かい側では、ヒカルが何かブツブツと言っている


キャサリン「……お疲れ様ね」

鹿島「……ねぇ、サクヤ。ヒカル、どうかしたの？何か、機嫌悪いみたいだけど」

　するとサクヤは、あぁ、と苦笑いをした


細野「ここに来る途中、男子生徒に女子と間違えられたんだよ」

　しかも先輩にね、と付け足された


鹿島「ア、アハハ……」

　……確かに、苦笑いしか出来ないかも


　そして隣ではまた、ため息が

　ホントに大丈夫かな、ハルキ……

　ぼーっとどこかを見ていて、意識、ここにあらず、って感じ

　……そう言えば、ハルキは最近、ため息が多くなったな

　なにかあったのかな……

　あっ、もちろんアラタのこと以外で



　……この時はまだ知らなかった


　これからの出来事を……

　私達に降りかかる災い、そして悲劇を……


　そして、彼女がまだ、この学園で生きていたことも

◇No23→←◇No21

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す