５話 ページ7
夜目が効かないというのは思っている以上に不利なのだ。他の人は時間をかければそれなりに目が暗闇に慣れるだろうが、私はそうもいかない。人工的な明かりに慣れすぎてしまった。深夜枠のベーコンでレタスな番組をリアルタイム、それも少しでも推しカプを目に焼き付けようとしたせいで条件付きで視力が落ちた。
人工的な光が少しでもあれば普通の人と同じく目を慣らすことができるが、月明かりといった自然の光だとほぼ見えない。簡単に比較すれば人工的な光があるときはクラブにいるくらいの暗さ、自然の光だけなら明るかった部屋の電気がいきなり落ちた時くらいの暗さ。つまり真っ暗で対応できないほど。
眼科の先生からは「なんでこんな限定的なわけ？逆に凄いんだけど」と、お褒めの言葉をいただいている。
よって、足場の悪い廃校舎で目がほとんど見えない私は、黒い綿を追いかけると言うよりかは黒い綿が通ったであろう道を勘で歩いている。そして度々転んでは起き上がるを繰り返している。
さらに言わせてもらえば、廊下の方が明るいと言ったのは私のスマホが原因でした。恥ずかしー・・・・・・。
『綿ー、いたら返事・・・・・・は無理か、何でもいいから居場所を教えてー』
呼び掛けてみるも返事は無く、まだ遠くなのだなと壁に手をついて手探りで綿の気配を探す。
『綿ーーー？』
うーん、そんなに建物は大きくないはずなんだが・・・・・・。
ボンヤリとしてた視界も少しだが、近くの物が見えるくらいには慣れてきたし２階にも上がってみるか。
『う、運動不足〜・・・・・・』
階段を登りきる頃には息絶え絶え、身体能力は悪くないはずだけどやっぱり長距離走るのサボってたから体力が落ちていると痛感した。
『やっば、膝が大爆笑してんだけど』
苦笑いを浮かべながらガクガク震える膝に鞭打って歩き出す。
手っ取り早く近くの教室から探すか。そうしよう。
「やめてぇ！！！！」
『！ごめんなさいぃ！！？？』
スパーンッ！！なんて良い音と勢いで扉を開けた瞬間に叫ばれた。反射的に謝ってしまったが、もしかして教室の中にいた人は着替えでもしてた？
「ぇ・・・・・・？」
『お、美人さん』
叫んだ人はかなり美人な女性。頭を両手で抱え込むようにして立っていたが、私を見ると信じられないものを見るように目を見開いた。
「ユウ、ちゃん・・・・・・？」
『人違いです』
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のりまき - 凄く面白い、、、更新頑張ってください！楽しみにまってます！ (2021年11月4日 22時) (
レス) @page13 id: 43c85f48e1 (このIDを非表示/違反報告)
ユノ - 続き楽しみにしています (2021年3月26日 19時) (レス) id: ae7d8421ac (このIDを非表示/違反報告)
鈴菜 - ゆ、夢主も腐女子だと((( ｺﾎﾝとても楽しく読ませて頂いています！ 続編が楽しみですよ〜… なんか夢主が獄卒たちと親しげ(?)ってとこが良いよね！ (2020年8月15日 16時) (レス) id: 887197f4b6 (このIDを非表示/違反報告)
アヤト - 楽しんで読ませてもらってます！更新楽しみに待ってます! (2020年5月19日 8時) (レス) id: 3db13e33df (このIDを非表示/違反報告)
@羅夢(プロフ) - とても面白いです！あ、あれぇ？夢主と服装もカバンの中身もほぼ一緒だ!?更新楽しみにしています！頑張ってください！ (2020年4月20日 18時) (レス) id: d2b13b95f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒月夜 | 作成日時：2020年4月1日 20時
