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「お、お前、A……何でそんな……」
そこで中也が「はっ!」と何かに気付いて、勢い良く後ろを振り向いた。
そこには、何処から取り出したのか、可愛らしい小さな洋服を手に持つ森が居た。
「丁度ここに、エリスちゃんに着て欲しくて購入した洋服がある」
表情はいたって真剣だった。
中也は反射的にAを抱えて守る。
「そんなぶかぶかな格好では風邪を引くかもしれない。だから、ね?」
「……お心遣い、感謝します」
反論の余地も無く、中也はそう返事をした。
内心「済まねぇ、A」と泣く泣く弟を引き渡した。
「では早速着替えようっ! 近くに車を停めてある」
『なんだか、きるのにたいへんそうなふくですね』
「心配ないさっ! 私が着替えるのを手伝――」
「リンタロウの変態っ! 中年は出てってっ! 着替えはあたしがするわっ!」
「あぁ! そんなエリスちゃ〜んっ!」
車に乗り込もうとする森を、エリスが厳しく咎めて叩き出した。
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――――場所を移動して、マフィア本社ビルの首領の部屋。
「可愛いよ、A君。良く似合っている」
「サイズもぴったりね! お揃いのリボンもあるのよ、ほらっ!」
『……なんか、すごいデジャヴ』
色とりどりの洋服が用意され、森とエリスの着せ替えが始まった。
「洋服も良いが、今度はこっちも着てみるのじゃ」
何時の間にか参加した紅葉は、着物を用意して順番待ちをしていた。
そんな光景を眺めながら、中也は再び心の中で弟へ謝罪した。
「それにしても、何故Aはこのような状況になったのじゃ? 異能かえ?」
「太宰の異能無効化も効きませんでした。もっと別の要因かと」
「何か心値はあるかね? A君」
『えーっと……きのうもべつにふつうだったし。けさも…………あっ』
考えていたAが何かを思い出した。
『……バイトにでかけるまえに、テーブルにおいてあった“ビタミン剤”を――』
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ソルト(プロフ) - この作品にてねこぱふぇさんの作品を全て読み終わりました。どの作品も面白く1日で読み終わってしまいました…これから2週目に入ります。今後のご活躍を期待させていただきます。 (2019年6月14日 0時) (レス) id: 61b043fd1c (このIDを非表示/違反報告)
鶴媛(プロフ) - ネコぱふぇさん» 弟君の幼女化ありがとうございました!!弟君シリーズすごく好きです!!これからも応援しています! (2019年4月30日 21時) (レス) id: 3faee80352 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのごん子 - 獄都事変とコラボしてガッツポーズしたのは私だけじゃないはず (2019年4月29日 21時) (レス) id: 1eba992f2c (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - 大阪さん» すみません。バチカン奇跡調査官は詳しくないです。 (2019年4月29日 10時) (レス) id: 3da7122dd2 (このIDを非表示/違反報告)
大阪 - リクエスト、まだ大丈夫でしょうか?バチカン奇跡調査官とのコラボがみたいです… (2019年4月29日 5時) (レス) id: 513b666ef4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2019年3月24日 23時