只今俺の妻は死んだふりをして出迎えてくれています。【赤葦京治】 (ページ36)

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「あ、犯人さ、お前ら夫婦の事つけてたらしいぞ。いつか殺そうと思って１ヶ月ぐらい前からずっと見てたらしい。

………あと、俺たちを運んだのは、どこかで雇った外国人達だ。今捜索してる。」

黒尾さんによる衝撃発言により、私達夫婦の動きがピタリと止まる。

…………つけていた？１ヶ月前から？

……………え？

ようやく動いた唇を動かして、少し震える声で言う。

「……………本当に？なんで？」

「……なんか、たまたま見たお前らが幸せそうで、嫉妬したらしい。

他にも狙われてた夫婦やカップルがいたらしくて、そいつらのこともお前らと同じくつけていたらしい。」

…………嫉妬で、見ず知らずの他人を殺そうとするなんて。

「……ん？じゃあ、なんで皆も襲われたの？」

「いや、最初はお前らが宮城に行くと聞いて、そこで殺そうと思っていたらしいんだが、俺らが居る事に気付いて、じゃあついでに殺そうってなったらしい。」

「ふーん…………」

………やっぱ、怖いわ、発想が。

普通殺すとか考えられないけど、それ以上に他の皆を殺そうとしていた犯人に、今更ながら恐怖心が芽生えてきた。

「……まぁとりあえず、解決したんだねー……」

私が呟くと、他の皆もうんうんと頷く。

少しの沈黙が続く。

「そういえばさ、黒尾彼女居たんだぜー！」

「「え」」

………木兎さん、空気読もうよ。

まあそこが木兎さんなんだろうけどね…………

その後、黒尾さんへの尋問が始まったのは言うまでもない。