*青峰大輝のわがまま*3* ページ41
「大輝っ!!」
人をかき分けた彼女が目にしたのは
「よう」
「…………大輝?」
ボール片手にぴんぴんしている旦那さん。
「え、怪我、したんじゃ」
「あー、それ嘘な」
「……………………嘘!?」
響き渡る大絶叫。……大ちゃん頑張れ。
「もしかして、青峰選手の奥さんですか?」
その声に振り返れば、カメラと目が合う。
彼女はそこで初めて気付いたのだろう____コートを取り囲むのが、観衆だという事に。
「そうです、俺の妻です」
「え、ええ?……ぇわっ!?」
答えたのは大ちゃんだった。あーあ、Aちゃんをお姫様抱っこなんかしちゃって……
周りから上がる黄色い声や指笛に彼女の困惑は深まるばかり。
「ちょ、これ、どういう、」
「あー……昨日は悪かった」
「……もしかして、それが言いたくて?」
「そーだよ。俺がバカだったせいで泣かせちまって悪かったな」
いつの間にか向けられたマイクで公開放送される会話。
「…………本当はコレを買ったのがバレたくなくて、
写真集を買った事にしようとしたんだよ」
チャリ、と差し出されたのは、
「ブレスレット……」
「『指輪以外で夫婦っぽいもの付けてみたい』っつってたろ」
少し不器用に、でも優しく、彼女の腕にそれを通す大ちゃん。歓声は大きくなるばかりだ。
「……何でよりによって写真集なのよ。お菓子とかで良かったじゃん」
「……それ、さつきにも言われたわ」
「ふふっ、何それ……私もごめんね。言い過ぎて」
お互いが笑うと、割れんばかりの拍手が起こる。
コート上の選手達も敵味方関係なく楽しげな野次を飛ばす。
「それでは、先ほどのバスケでもそして今も魅せてくれた青峰選手に一言頂きましょう!」
マイクを向けられた大ちゃんはいつもの調子で一言、
「あー、これからデートするんで失礼します」
またも広がる拍手と爆笑。突然観られている事を自覚したのか、
Aちゃんは真っ赤になって下ろせ下ろせとばたばたしている。
「マイクの前で何言ってんの!?恥ずかしいからやめてよ!!あと下ろして!!」
「は?良いだろ別に。俺のもんを俺のもんって言って何が悪いんだよ」
「俺のもんって……!!」
「それとも何?まだ分かんねえ?」
ったくしゃあねえな、と言った大ちゃんが、
「あいしてるって、いってんの」
公衆の面前で堂々とキスをした。
私を含む観客の3割が萌えの摂取過多で倒れ、青峰大輝伝説はまた一つ増えたのだった。
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ゆな子(プロフ) - 高尾ちゃん&笠松&黛は一番キタわ。心臓が3ついりますね。 (2019年8月27日 17時) (レス) id: 590d5b732c (このIDを非表示/違反報告)
赤 - 最高でした。赤司くんと黛さんのが特に最高でした。きゅんきゅんしました!!!! (2018年9月4日 12時) (レス) id: 14fcda4380 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか - 大ちゃんありがとうございます!いつも楽しく読ませて貰ってます!!大ちゃんに萌えましためっちゃ(笑) (2017年9月30日 8時) (レス) id: b6dcf803c3 (このIDを非表示/違反報告)
伊月千歳@白咲智歌(プロフ) - もろへいやさん» そうなんですか!わかりました! (2017年9月24日 9時) (レス) id: e71731f15b (このIDを非表示/違反報告)
もろへいや(プロフ) - 伊月千歳@白咲智歌さん» 大変申し訳ないのですが、こちら残り話数がかなり少ないので、現在リクエストにはお応え出来ません。本文中に明記せず本当にすみません……ご理解頂けると幸いです。コメントありがとうございました。 (2017年9月23日 23時) (レス) id: 0747be2c14 (このIDを非表示/違反報告)
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