検索窓
今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:150,345 hit

*黒子テツヤにわがまま*1* ページ37

「あ、テツヤのインタビューこのページか」

パラパラと紙を捲っていた手があるページで止まる。
見出しは「新進気鋭の若手作家・黒子テツヤ独占インタビュー!」。
写真に写る顔がいつもの無表情なのを見て、くすりと笑みが零れる。





バスケで全国制覇を成し遂げた黒子テツヤの作家への転身は、非常に大きな注目を集めた。
そのせいで本の内容ではなくネームバリューだけで売れっ子になったと彼を非難した人々は
勿論いたが、幾つかの作品を経て彼は今、実力も認められつつある。
そんなテツヤを側で支えられる事は、私の無上の幸せだった。





テツヤの一言一句を落とすまいと、丁寧に読み進めていく。

『作品のアイデアはどこから湧いてくるのでしょうか?』
『家に星の良く見える小さなテラスがあるんです。
そこで夜空を見上げていると色々な考えが浮かんで、ひとつの形になる事が多いですね』
『黒子先生の透明感のある文の秘訣は果てしない空、という事ですね』
『そんな大層なものではないと思いますが……そうかもしれません』

文字を追いながら、今まさに星空を眺めている旦那様の事を考える。
無表情かと思いきや感情豊かで、純情かと思いきや意外に腹黒かったり、
意外な一面を見せてくれるテツヤが、私は大好きだ。

「さて、ミルクティーでも作って持って行こうかな」

もうすぐ終盤に差し掛かるインタビュー。
テツヤは甘い物が好きだから、砂糖を少し多めに入れて……なんて確認していたら、

「え…………」

私はそこで、紙面に釘付けになった。





「テツヤ?」
「あ、Aさん」
「ミルクティー作ったよ、どうぞ」
「わざわざありがとうございます」

星の見える場所が欲しいと言うテツヤと2人で探したこのマンション。
こぢんまりとしているけれど静かで風通しも良いテラスがあるこの場所を
テツヤはとても気に入って、晴れている日は必ずここで過ごす。
私は時々一緒にいさせて貰うけれど、彼の邪魔をしないようにというのが基本スタンス。

けれど、今日は少し、邪魔をしたい。

「ねえテツヤ」
「はい、どうしましたか?





…………もしかして、怒ってますか?」





流石の観察眼だ。

「……うん、実はちょっとだけ」
「え?ボク、何しましたっけ……」

割と焦って考えてくれる様子に少し嬉しくなりつつも、
私は雑誌のインタビュー面を開いて彼に見せる。

「えっと、ここ。…………作品の登場人物、呼び捨てにしてたから」

*黒子テツヤにわがまま*2*→←*原一哉のわがまま*2*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (136 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
177人がお気に入り
設定タグ:黒子のバスケ , 黒バス   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆな子(プロフ) - 高尾ちゃん&笠松&黛は一番キタわ。心臓が3ついりますね。 (2019年8月27日 17時) (レス) id: 590d5b732c (このIDを非表示/違反報告)
- 最高でした。赤司くんと黛さんのが特に最高でした。きゅんきゅんしました!!!! (2018年9月4日 12時) (レス) id: 14fcda4380 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか - 大ちゃんありがとうございます!いつも楽しく読ませて貰ってます!!大ちゃんに萌えましためっちゃ(笑) (2017年9月30日 8時) (レス) id: b6dcf803c3 (このIDを非表示/違反報告)
伊月千歳@白咲智歌(プロフ) - もろへいやさん» そうなんですか!わかりました! (2017年9月24日 9時) (レス) id: e71731f15b (このIDを非表示/違反報告)
もろへいや(プロフ) - 伊月千歳@白咲智歌さん» 大変申し訳ないのですが、こちら残り話数がかなり少ないので、現在リクエストにはお応え出来ません。本文中に明記せず本当にすみません……ご理解頂けると幸いです。コメントありがとうございました。 (2017年9月23日 23時) (レス) id: 0747be2c14 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:もろへいや | 作者ホームページ:  
作成日時:2017年9月5日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。