【◇】成宮鳴は一途らしい。

４．破壊 ページ4

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「あー喉乾いたー！ 樹ィ！ 喉乾いたー！」




いつもに増して不機嫌な俺に樹がジュースを買ってきた。
あームカつく。勝手にキスしてんじゃねぇし。




「あの…鳴さん、もしかして昨日の……」

「なに？ 聞こえないんだけど」

「Aさんがキスしてたので怒って」




「はぁ？ 別に怒ってないし！」




樹をさっさと練習に戻らせてジュースの蓋を開ける。
ブシッと溢れて炭酸だったらしいジュースは俺の顔とか服にぶちかまされた。




「樹…………」

「すみません！」




ベタベタして気持ち悪い。
イライラが最高潮に達しながらシャワーを浴びるためにグラウンドを出た。

グラウンドのすぐ横には見覚えのある後ろ姿。
それが誰かなんかすぐに分かった。




「A！ 何してんの？」

「あっ、なるくん」




振り向いて俺を見るとニコッと微笑んだ。
…………なに、可愛い、ねぇ、可愛い。

悶え苦しむ俺にAは不思議そうな目を向けて、
「なるくんと話したくて来たんだけど……」
と言った。




破壊力抜群のそのセリフは俺の口からすぐに
「今すぐいいよ！」という言葉を出させた。




「うん、でも…………」




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「とりあえず、シャワー浴びないとね？」




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