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第四十五夜 人の話は最後まで聞きましょう ページ5





 バルバット王宮前。
 ___その頃、アリババは“黒いジン”に立ち向かい、手に持つ“金属器”で一太刀浴びせようとしていた。

 その手には燃える長剣がしっかりと握られ、僅かに手と同化している。
 比喩ではない。アリババの手は正に、武器化魔装を更に進化させようとしていた。


「いっけえぇぇぇぇ!!!」


 刹那、ガアン! っと鈍い金属音が辺りに響き渡る。何の音かと思えば、“金属器”が何者かによって受け止められていた。

 異様な雰囲気を纏う影がアリババの長剣を軽く流す。
そのしなやかな動きにアリババは体制を崩し、軽く地面に叩きつけられた。


「「「!!?」」」
「隙だらけよ。アリババくん」
「っ……! A!!?」


 人々の視線の先に浮いていたのは、片手に苦無を持ち、自分たちを冷徹な目で見下ろすAの姿だった。

 その時だ。Aは何を思ったのか、彼らを一通り見回してから悲しげに眉を顰めた。
だが、それも一瞬のことですぐに元の顔に戻る。当然周りの人々は気づいていない。


「…………これでいいのよね……って“杖の”に伝えてジュダル」
「ああ、協力感謝しよう。“マギ”よ」


 Aが“杖の”と呼んだのは、マルッキオと似た様な容姿をした男だった。
 顔は布で見ることはできないが、彼のように媚びへつらう声音ではない。


「あんな奴、わざわざやる意味あんのか?」
「そうよ。別に殺さなくても、あなた方の邪魔にはならないんじゃないかしら?」
「彼は何度か我々の作る流れを妨害している。今後も厄介な存在になる……いまのうちに消しておくべきだ」
「……言っとくけど、あたしはあなたたちの協力をするんじゃない。ジュダルに協力するのよ。くれぐれも忘れないでおいてちょうだい」


 ___覚えておこう。 と小さく頷く杖の男。
 雰囲気や立ち振る舞い、全てが不気味だが、聞き分けが良いというか……とにかく、彼はAの扱いが上手いようだ。


「それより一体なんなんだ……? 妙に力が溢れてきやがるぜ……」
「お前は堕天した身。黒いルフに満ちた今の状態の方が力が増すのよ……」
「だからって暴れんじゃないわよジュダル」


 横目でジロリとジュダルを睨み、無意味かもしれないが念のため忠告しておく。
 何も言わないよりかはマシだと思ったのだろう。


「なぜAがアルサーメンの奴とっ!?」

第四十六夜 敵キャラが「いくぜぇ!!」とか言ってから攻撃するのは気遣いだよね?→←第四十四夜 目つきが悪い人には見られたくない



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設定タグ:マギ , ジュダル , 煌帝国   
作品ジャンル:アニメ
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爽やか中一 - エヴァって良いよね、マギって良いよね、この小説最高。うん、フォント煮最高←分かるかな? (2020年8月16日 21時) (レス) id: 11099bdacf (このIDを非表示/違反報告)
まっちー☆ - なぜ私がマギなんだー(`∀´) (2013年12月24日 15時) (レス) id: 788e6f575e (このIDを非表示/違反報告)
にゃんにゃん子猫(プロフ) - 猫子さん» お返事すご遅れてすいません。 馬鹿じゃないですよ!私はお馬鹿さんですけどww コメントありがとうございます( ´ ▽ ` ) (2013年7月23日 20時) (レス) id: a7231b0c94 (このIDを非表示/違反報告)
猫子(プロフ) - 73夜の〈その夢が真実ですよ〉をくその夢とよんだ私は馬鹿でしょうか?小説おもしろいですよ (2013年7月14日 10時) (レス) id: e283e186ef (このIDを非表示/違反報告)
にゃんにゃん子猫(プロフ) - Rioさん» 番外編作ったので、是非見てください! 応援ありがとうございます^^ (2013年6月17日 7時) (レス) id: a7231b0c94 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にゃんにゃん子猫 | 作成日時:2013年5月27日 17時

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