《マギ》赤き羽の黒い天使 第二章

第五十四夜 焦らしプレイより悲惨だぞ？ ページ13

あ「あれ？ジュダル、どうしたの？」



ジュ「別に。」



あ「はぁ・・・すねちゃって。」



炎「A、食客ならば部屋を用意した方がいいな。」



あ「えぇ。


お願いするわ。」



炎「ジュダル、お前の部屋の隣が空いていただろう？


案内してやってくれ。」



紅炎はジュダルに目配せした。


「仲直りしろ。」ということなのだろう。



ジュ「・・・わーたよ。」



あ「じゃ、またね紅炎。」



炎「あぁ。」



彼女は軽く紅炎に手を振り、ジュダルの後について行った＿＿＿。




＊廊下




ペタペタペタペタ ペタペタペタペタ



あ(速い。


ジュダルの歩く速度がクソ速い。


怒るのも・・まぁわからなくも無いけど・・・


ってかさっきから何なの！？


すれ違う人がみんな睨んでくんだけどぉ！？


ジロジロジロジロと・・・あたしの服装がそんなに変か！


あ、そーいえば服が破れてるの忘れてた・・・・)



ジュ「おい、着いたぞ。」



あ「あ、ぅん・・・


ありがと。」



ジュ「服、官女に用意するよう言っておいた。」



あ「・・ありがと・・・」



少しの間が空いた。



あ(謝った方が・・・いいのかな・・・・


それより何なんだこの間は・・・


焦らしプレイより悲惨だぞ？


もはや放置プレイに値するぞ？)



ジュ「それと、A。」



あ「はひ！？


あ・・・・なに？」




ジュ「・・・」



あ(しくったーーー！


びっくりして変な声出たよーー


クソッ！)」



ジュ「・・その・・・・・・・・・


悪かった。」



あ「え・・・


あ、いやっ、こっちもまぁ悪かったから！


許してあげるわよ！」



ジュ「ほ、ほんとか！？」



あ「当たり前でしょ？


嘘つくメリットなんてないじゃない。」



ジュダルは子どもの様な無邪気な笑顔で、彼女にギュッと抱きついた。



あ「・・・どした？」



ジュ「・・嬉しかった。」



あ「そ、そう。」



ジュ「じゃあ、今日はもうおせーから、また明日な！」



そしてサッと彼女から離れると、くるっと自分の部屋の方に向き直る。



あ「うん、じゃあ・・また明日。」



彼女は素っ気なく答え、ジュダルはスキップ気味な小走りで隣の部屋に入って行った。


部屋に入るとき、ガッツポーズをしたのは丸見えだった。



あ「ホント、ガキだよなぁ。


ピュアだし。」



彼女は小さく独り言を言い、自分も部屋に入った＿＿＿。

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