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「...なずな、くん?真衣っ、なんでなずなくんがマイクもって笑顔でダンスしてるの?」
見せられた画面には動画が流されていた。
なずなくんと他3人の可愛らしい顔をした男の子たちが歌って踊っている。
私は完全に画面に釘付けになってしまっている。
私が今、聞く耳を持たなくなっているだなんて知らない真衣は、
「やっぱりなずなくんって仁兎なずなくんだったんだね」
と言って瞬きをすることを忘れるくらい見入っている私に気が付かず話を続ける。
「あんたからもらった情報、...髪色を聞いたのに髪型まで言ってくれるし、あと明るくて人懐っこくて人形のように可愛らしいでパッと頭に仁兎なずなくんが浮かんで、もしかしてっと思ってあんたに見せたらドンピシャだったのよ。...って聞いてる〜?」
真衣が目の前で何か言ってるけど何にも耳に入ってこなかった。
真衣の話よりもなずなくんがアイドルだったという事にビックリして画面から、動画から目を離すことができなかった。
「わ、私...アイドルと仲良くなっちゃったの?」
「そうみたいね。」
可愛らしい音楽が消え、動画が停止したので真衣にスマホを返す。
「私ねこのユニット結構好きなのよ。」
「私も好きかも。今日知ったばっかりだけどね。」
「ほんと?私、ライブ行ったことあるんだ〜!一般の方も見に行けるやつ!」
真衣はスマホをカバンに片付けながら爛々と目を輝かせ楽しそうに話す。
「も〜可愛くてかわいくて最高だったよ〜。同じ高校生なのにすごいな〜なんて思った。他にもね私一押しのアイドルがいるんだけどねっ!」
真衣の言葉に耳を傾けながらティーカップに少しだけ残っていた紅茶を口にする。
興奮しだしてぺらぺらとアイドルについて語りだす真衣を見るのはこれで6回目。
お昼休憩がいつの間にか終わり午後の講義が始まっているのに気が付いたのは今から30分後だった。
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作中に出てきたRa*bitsのライブ映像は、
仁兎なずなくんが夢ノ咲学院3年生だった時の映像です。
今はアイドル活動休止中ですもんね。
ややこしくなるので一応ここに注意書き?書かせていただきました。
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作者名:恋陽 | 作成日時:2020年5月22日 15時