24*ムチとアメとナミダ ページ25
瀬名A視点
『騎士…』
「なぁに？人の顔ジロジロと見て。
うざいんだけど。」
確かにみてたけど、ほんと言い方がキツイ。
誰に似たのかしら…パパもママも優しいのに…
あの二人が甘やかしたせい？それとも芸能界でちやほやされたせい？
「あんたさ、今余計なこと考えてるでしょ。
チョ〜うざぁい。」
『うざいうざい言わないで下さい！
…確かに余計なこと考えたけど…いや、もういいです。すいません、ジロジロ見てしまいました。』
だって、すっごい睨んでくるし。
このまま何か言っても、イライラさせたままでは他のKnightsのメンバーに当たり散らされちゃうし。
はぁ。と聞こえないようにため息を吐き、それでも尚、離してはくれていない手に引かれ歩いた。
「…ねぇ。」
流石に連日の製法作業の疲れと会長と会ったことで精神的疲れで、今は泉さんの説教を聞きたくない。
それでも声を掛けられたから、視線だけで返事をすればやっぱり怖い顔してるし…
「なぁに、その顔。
…これ。本当に４人分作ったんだね。
ありがとう、A。」
先程までとは打って変わって、あまりに柔らかな表情と声色。
ぎゅっと胸が締め付けなれ、それはそのまま上昇し涙が溢れた。
「はぁ、なに泣いてるの！こんなとこで泣かないでよね！
あそこが借りてる部屋だから早く入って。」
押し込められるように部屋に入れば、ポロポロと溢れる涙を泉さんの指先が掬っていく。
この人の役に立てた。
それが嬉しくて、また涙が落ちる。
「あぁ、もう。あんたは疲れてるんだから今日は帰ったらさっさと寝て！」
『はい。』
自分でも分けるくらいにどうしようもないほど、へらりと笑った顔をしている。
頑張って良かった。
「セッちゃんがA泣かせてる〜…」
「もう泉ちゃんったら！」
「お姉さま、こちらをお使いください。」
差し出されたハンカチで目元を拭い、
その最中にメンバーは作った衣装に袖を通している。
かさくんが特に喜んでくれ、英語混じりでお礼をくれるも流暢すぎてサンキューしか聞き取れない。
『騎士…をイメージしたけど王子様みたい。』
「princesを守るのはprinceの役目です。
お姉さま、本当にありがとうございます。」
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モカ(プロフ) - 架月*さん» コメントありがとうございます！初めてこのお話にコメントが来たっ…!!非常に嬉しいです。更新頑張りますね。 (2017年6月23日 21時) (
レス) id: efb045d001 (このIDを非表示/違反報告)
架月*(プロフ) - あとがきとあり、ここで終わってしまうのかと思ったのですが、続編と聞いてワクワクしてます！頑張って下さい！ (2017年6月23日 21時) (レス) id: 6bbbbd55e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モカ
| 作成日時：2017年6月9日 6時
