12*二度寝のちバイク ページ13
身体を預けた…と前の頁で言ってはいるが要するに二度寝してしまった。
再び目を覚ましたのは兄の声でだ。
「ちょっとぉ、いつになったら部屋から出てくるの？」
その声に飛び起き悲鳴を上げれば、部屋の扉が勢いよく開く。
そんな私と目が合えば、大きく開かれていた瞳は呆れの色を差している。
『お、おはよう。二度寝…しちゃった…
遅刻しちゃう！！』
ドタバタと動き回る私に口癖ともとれる「うざい」を放ち泉さんは部屋を出ていった。
そんなことよりもパジャマから制服に着替え、洗面所に駆け込み洗顔と歯磨きをする頃には家をとっくに出ている時間。
「送ってあげたいけど、ママもお仕事に行く時間なのよ…朝ごはんはサンドイッチ用意したから学校で食べてね。」
『ありがとう、ママ！私なら大丈夫だから、お仕事頑張って！』
大丈夫ではない、が…
電車は無理か…バスの時間を確認しつつ、家からバス停まで全力で走れば間に合う！
汗かきたくないなぁと思いながら玄関の鍵を締め、いざ……!
と、駆け出そうとした時バイクのエンジン音に振り返れば泉さんがまだいる。
『あれ…急がないと遅刻しちゃうよ！』
「あんたはどう頑張っても遅刻するんじゃない。ほら。」
ならさっさと行かせてよ、そう思っていれば手渡されたのがヘルメット。
疑問に思いヘルメットと泉さんを交互に見やれば、今度はぐいっと手を引かれる。
「遅刻したくないなら、お兄ちゃんが乗せてってあげる。
どうするの？」
独特の猫なで声でこくりと頷けば、緩められた瞳に支えられバイクの後ろに跨がらせられる。
「…スカート短すぎない？ちゃんと裾に座って！
落とされたくなかったちゃんと俺に掴まっててよねぇ。」
おずおずとその締まったお腹に手を回すも、もっとちゃんと掴まりなよと念押しされてしまう…
上半身を全て泉さんの背に預ければ「良い子だねぇ」とお腹の前で組んでいた手を撫でられ、それが妙に照れくさかった。
きっとこんなにドキドキしてるの私だけ。
コツンと背中に額を付け、学院までの道のりを振り落とされないようしっかりとしがみついた。
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モカ(プロフ) - 架月*さん» コメントありがとうございます！初めてこのお話にコメントが来たっ…!!非常に嬉しいです。更新頑張りますね。 (2017年6月23日 21時) (
レス) id: efb045d001 (このIDを非表示/違反報告)
架月*(プロフ) - あとがきとあり、ここで終わってしまうのかと思ったのですが、続編と聞いてワクワクしてます！頑張って下さい！ (2017年6月23日 21時) (レス) id: 6bbbbd55e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モカ
| 作成日時：2017年6月9日 6時
