とある赤司家の話。４

匂い“2”:１ ページ6

その日、早めに仕事を終えた赤司は、先に風呂を済ませ、そして漸くして食事となった





テーブルには二人分の食事が既に用意はされているのだが、Aの姿が見当たらず





赤司はまだ出されていない晩酌用の酒を冷蔵庫に取りに行く





ただ単に、“サラリーマンは夜、家で晩酌するもの”





という世間のお父さん体験をしたいが為に酒を楽しんでいるのだが、愛してる人と一緒に飲む酒は確かに美味いと赤司は思う






酒自体は特に好きではないため、毎回酒の種類は変わるのだが大方の酒は味見し尽くした





なので、今はAと飲むカクテルやチューハイにハマっている








(そういえば、明日はAの原稿が無い日だったな)







家での仕事となるAはこれといって休みというものは無い




その他にも時間をやりくりするのは本人の自由になる為、赤司が油断していると無茶をするのだ




そこで、赤司は週に1回は休むようにAに言ってあるのだがAは大抵赤司が休みの日に合わせてくれる





その日が明日なのだが、翌日が休みとあらば少しは無茶も出来るだろう






(缶チューハイじゃなくて、ウィスキーを試してみるか)







度数の強い酒は、お酒がそこまで強くないAに出さないのだが、飾りと化している酒瓶を消化するものいいのかもしれない





まあ、多分明日のAは二日酔いで相手をしてくれないかもしれないが、時にはいいか。





赤司はそうしよう、と決めるとロックグラスを2つ、アイスペールに氷を入れ、トングを差す







それをテーブルに置き棚からボトルを出した









すっかり、準備を終えた赤司なのだがその頃になってもAは戻ってこなかった





何をしているのだろう。と思いながら赤司は音のする方に耳を傾ける







布の擦れる音を聞き、どうやら寝室にいるようだ。






席を立ち、赤司はAを迎えに行くことにした








｢A、一緒に晩酌しない､､､___｣









しかし、赤司の言葉は途中で途切れてしまう








｢フフッ｣






ドアを開ける前に、中からAの微かな笑い声が聞こえ思わず立ち止まってしまったのだ









何事かと思い、赤司はそっと空いているドアの隙間から中を覗き込んだ







するとそこには、








目を見張るような光景があったのである

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