スピーキング2 ページ29
もう比較的痛くない(というかそもそもそんなに痛くもない)足を運んで保健室を出る。
廊下に少し進んだ時、衣更先輩が足を止めた。
「そういや薬袋…って呼んでいいか？まぁいいか、お前弁当かなんか持ってきてる？」
「へ…？」
「あぁいや、場合によったらちょっと長く話すかもしれないから、昼飯食べ損なうのは嫌だろ？」
あぁ、さっき佐賀美先生が言ってたアレか。
お弁当。出来るなら作ってきた方が安上がりなのだろうが生憎母が別居、父があの様子のうちではなかなかどうして難しい。
私？作れないに決まってるじゃん早起き出来ないし。ていうかお母さんも料理作れないからね、家庭環境関係無かった。
それはそうとこれは答えておかなければ…
「ぇえと…持ってきては、ない…です」
「そっか、じゃあ寄り道するか」
そう言って衣更先輩が歩みを進めたのは購買。
あぁ、なんか適当に買えってことね。
どーしよっかな。ここのお弁当基本男子に合わせて作ってるからちょっと量が多いんだよね。男子校だから当然だけど。
じゃあパンかな。チョココロネ…チョココロネ食べたい。
お金は昔からの癖でポケットに小銭が幾つかあるから、チョココロネ1つ買うのぐらいは大丈夫だろう。
「決まったか〜？…ってお前、それ1個で足りんのか？」
足りんのっていうか、それでと割と大きい方だと思うんだけど……あぁでも衣更先輩はお弁当とおにぎり持ってるわ。やっぱり男子高校生って食べるんだね。
「ん、じゃあちょっと買ってくるから待ってろな」
そう言うと衣更先輩は私が持っていたチョココロネを取ってレジに並んだ。
あ、そうか。昼休みで人がいっぱいいるからレジは1回にまとめた方がいいよね。イケメンだなぁ。
「待たせたな」
「あ、りがとうございます……あの、これ……」
「あぁ、別にこんぐらい奢らせろよ」
差し出した小銭を手でやんわりと拒否する先輩。
さっき佐賀美先生に言われたあれのせいだろうけど私だって100円ちょっとが払えないような人間だと思われたくはない。
「でも……」
「心配すんなよ〜奢ったからって何か要求する訳じゃないからな〜まあ100円ちょっとで『奢った』とか言うのもあれだろうけど」
先輩な笑いながら私の頭をぽんぽんと撫でた。
それがどうにもあったかくて、
というか私の知ってる
ほんとにあいつら何なんだよ……
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翔。(プロフ) - 好きです！！最高に面白いです！！エリートヒキニート最高！ (2019年1月20日 6時) (
レス) id: 63a2837fb8 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤(プロフ) - ♪咲那♪さん» わーいありがとうございます(^o^)/頑張ります！ (2018年5月15日 0時) (レス) id: 4f2d8f4684 (このIDを非表示/違反報告)
♪咲那♪(プロフ) - おもしろくて続きが気になったのでこれからも更新頑張ってくださいね！ (2018年5月7日 22時) (レス) id: 282e7e9f5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐藤 | 作成日時：2018年4月7日 1時
