鬼は切れません！！！漆 (ページ5)

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急なことに着地を見事に失敗した私は、地面に着くなりそのまま尻もちをついた

『ほんとさ、呼び出すなら一言声かけてよね…痛覚はないとはいえ尾てい骨折れてないか心配だわ…』

｢知るか｣

ぱっと死覇装を叩いて汚れを払うと、のそのそと起き上がり座って周りを見た

他に鬼もいない

珍しい…

『むっちゃん1人で呼び出すなんてどうしたの？』

無惨｢悪いか｣

『いや、いいんですけど？珍しいなーって』

無惨｢ふんっ｣

『まあ今日が決戦ですし？それで寂しくなったとか…』

私の首スレスレを鋭くとがった肉塊が通り過ぎた

『照れ方怖…後で渡そうかと思ってたけどこれ、渡しとくよ。今回の訓練と共同戦のお礼』

無惨様に2つの小箱を渡す

中には薬が入ってる

ひとつは私の血から作った、鬼の食欲を無くし、日光を克服できる薬

鬼から人に戻れる訳では無い

もうひとつは禰豆子ちゃんの血から作られた完全に人間に戻れる薬

『まぁ無惨様達が好きな方を選んでよ。そのまま永遠の命を手に入れるもよし、人間に戻るのもよし』

無惨｢こんな形でこのときを迎えるとは思ってもいなかったな｣

『これで無惨様が新しく鬼を作ることもなくていいね』

無惨｢最後に貴様を鬼にしてやろう｣

『あははっ！それもいいかもね。…私はギンのそばにいたいからさ。遠慮するよ』

無惨｢本当に好きなんだな｣

『まあね。死んだことを受け入れられずに散々引きずったしね。異世界に来たことに戸惑ってたのに、ギンがこっちに来てくれたってだけで不安も何もかも消え去ったし…』

二振りの刀を撫でてこの世界に来たばっかのことを思い出す

『もしギンが鬼になったら私も鬼になろっかな！ギンに限ってそんなことは無いけどさ』

無惨｢そうか。私も後で行く。もう戻れ｣

ベベン、と琵琶の音が響き、再び無慈悲に地面に落とされた

無惨様なんか私に対して当たり強くない？