Fake,1 ページ3
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明かりの消えた部屋に、ほんのりと淡く光る豆電球
カーテンで閉められた窓からは、月明かりすらも入り込まない一室
「ん…っ……ぁ…」
「ハニー…」
窓際に置かれたベッドの上では、まだ幼さの残る顔立ちの少女にアホ毛が二本跳ねている男が覆い被さり
熱っぽい視線で少女を見つめている
「んんっ……くすぐったい…」
「あ、す…すまないっ」
「…下手くそ」
「それは言わないでくれ」
少女は男から
「…キス、続けてもいいか?」
「そーゆーの…聞かなくていいから」
「すまん」
静かな部屋に響く小さなリップ音と、時計の秒針
時折ベッドの軋む音が鳴るなか、二人の男女は今日も一夜を共に過ごす
「…ぁ……んんっ…」
「我慢しなくていい…声を聞かせてくれ」
「生意気…っ…」
「フッ…それはお互い様さ」
長いようで短い
切なく儚い、複雑な一夜を…
.
チュンチュン…
ピピピピ…ピピピピ……
「んぅ……うるさい」
小鳥のさえずりと目覚ましの音で目を覚ます少女
香坂A
歳は18歳前後で、高校を中退した素行不良の未成年
「くかぁー……」
その隣で今だ呑気に寝ているのは、松野家の次男
松野カラ松
20代前半くらいで、つい最近までDTだったニートである
「……煩い。起きるかイビキ止めるかしてほしいんだけど」
「んんぅ〜……ハニィ〜…」
「何鼻の下伸ばしてんの。キモ」
黙っていれば普通にモテるであろうこの少女と、服のセンスさえ直せば同じくそれなりにモテるであろうこの男
昨晩のようにお互い体の関係も持ち、一応は付き合っているのだが
それはあくまでも表向きだけの話
実際は他のリア充のように甘い関係ではない
「………もっかい寝よ」
お互いが必要としているときに会い、寂しいときには慰め合う関係
恋に疲れカラ松を身代りとする代わりに、Aは気持ち以外の全てを捧げる
身代りになる代わりに、Aを自分の好きなように独占できるカラ松
要するに、“気持ち以外はお互いのモノ”という関係なのだ
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シーシャ(プロフ) - 和蘭芹さん» お返事が遅くなってしまい申し訳ありません!コメントありがとうございます!!そう言っていただけると励みになります!今後も頑張らせていただきます!長文ありがとうございますm(_ _)m (2018年3月18日 18時) (レス) id: 172b52f45f (このIDを非表示/違反報告)
和蘭芹 - 良い!めっちゃ良いです!!てかカラ松カッコよ…しかも可愛い…!文才ありありじゃないですか!続き楽しみです!これからも頑張ってください!応援してます!!(長文すみません) (2018年3月16日 23時) (レス) id: 1297ac7e3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シーシャ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/C-SHA/
作成日時:2018年3月13日 3時