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一瞬固まった後、目の前の鏡に近付いて自分の顔をガン見。




･･･数々の吹き出物
血色の悪い肌




・・・ブスがいる。




おまけにメイクなしって私、眉毛ないんですよ？
そんな事知らないでしょ？太輔は。




私のこのすっぴんを見た瞬間逃げられるんじゃないだろうか。




やだっ、
また振られんの、やだっ、



バレないようにメイ「A〜、」



ひっ！



「なななにっ？」



「入っていー？」



「だだだだめっ、」



「入るよ〜、」




ダメって言ってんじゃん(T＿T)




「・・・・・・・、」




逃げ場のない私。
泣きそうな私の顔を無言でじっと見つめる太輔に何もかける言葉がない。



だって本当に今の顔、ひどい！




バスタオル一枚巻いただけ
頭にはタオルを巻いてておでこ丸出し




・・・太輔、これが何も飾らない
私のど、すっぴんです。




なんだかこの数秒でさらにどっと疲れが･･･



そんな私に太輔は驚いたような表情を浮かべたまま、私を抱きしめた。







「･･･なんだよ、そっちの方が可愛いじゃん、」





・・・嘘つき。
あ、違う。声に出さなきゃ、




「そ、そんな訳ないっ、」



「ある。正直全然顔違うけど、このAの方が好きかも。」





顔全然違うとかそんな所正直になんなくてもいいよ。
とかまではまだ言えない、さすがに。




「コンビニ行ってアイス買ってきた。食べる？」



私、太輔には甘い物嫌いって言ってたよ？
なのにここへ来てアイスで誘惑してくるの？



試されてるのかな。
本心を言うかどうか。




もしそうなら
いや、そうじゃなくても私はこれから変わらないといけないんだ。




「･･･食べる。ほんとは好きなの、アイスもケーキも。」






そう言うと耳元でクスッと笑う太輔は
知ってたよ、と呟く。





なんだ。
実は知って欲しくないって隠してた色々な事
太輔はほとんど漠然とわかってたんじゃないかな。




「ほんとはっ、お肉大好きなのっ、唐揚げとかトンカツとかっ、ポテトなんか多分無限に食べれるし、ほんとはねっ「ふふっ、そっか。俺も好きだよ？唐揚げもトンカツもポテトも。」





今度一緒に食べよ？




そう言ったかと思うと





「でも、今は唐揚げよりトンカツよりポテトより･･･A食べたい。」




同列にされたようで
私のお腹のお肉を思い出して若干パニック。




そりゃ、唐揚げとかの方が美味しいと思うよ？

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